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小田穂乃実の実になる話⑰熊癖(ゆうへき)ってな~に?

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 以前、馬房の中でクルクル回転する旋回癖について、お話を聞かせていただきましたが、馬の癖は他にもいくつかあります。今回は、馬房の中で左右に体を揺らす、「熊癖(ゆうへき)」について、取り上げさせていただきます。一体どのような癖なのか?渡辺厩舎の上浜智幸調教助手にお話を聞かせていただきました。上浜さんは、21年のフィリーズレビューを制したシゲルピンクルビーを担当。どうやら、そのシゲルピンクルビーも、この熊癖を持っている1頭なのだとか。

 「はっきりした理由というより、あくまで僕の考えですけど、原因はいくつか考えられますね。1つ目は暇つぶし。馬は馬房の中でずーっと過ごしているからね。2つ目は、他の馬がしている様子を見ていて、楽しそうやな…って思ってまねする場合。最後に、馬房の中でストレスを感じた時。特に競馬場の馬房でレースに行く準備をしている時、レースに慣れている馬だったら、今から走らないといけないことが分かる。だから、だんだんイライラして、走りたくないな、という気持ちが高ぶってしまうんだよね。だから、トレセンとかでゆらゆらしている時よりも、競馬場での方が左右の揺れが速い気がしますね」。私は、ただなんとなくゆらゆら遊んでいるだけなのかな?と思って、いつも厩舎で揺れている馬を見ていたのですが、それぞれの馬にどうやら理由があるようですね。

 馬の悪癖の中では、まだそれほど大きくレースに影響するものではないらしいのですが、やはり悪影響はあるよう。「特に爪に不安がある馬にとっては、大きなデメリットになります。右、左に交互に前肢を上げ、すり足のようになるのですが、こすれてしまい蹄鉄や爪がすり減ってしまいます」。

 しかし、私たち人間でも習慣づいた癖を直すのはとても大変。「動きは止められないので、予防法がなかなかないですね。歩かせ続けるわけにもいかないですし……。シゲルピンクルビーの場合は、逆にゆらゆら体を動かさず、シュンとしていたら不安になっていたと思います。いつも通りで変わらないな、という判断する基準になっていますね」。

 ハクサンムーンの旋回癖に向き合っていた櫻井助手もおっしゃっていましたが、癖はその子の個性として、向き合っていらっしゃるのですね。特にどういう子が、熊癖を持っていることが多いということはないそうなのですが、上浜さんの経験上、比率で言うと牝馬の方が多いと思うとのことでした。

 ここまで話を聞き、今更ですが、なぜ馬の癖なのに、熊という文字が使われているのかな?と疑問に思って調べてみると、熊もオリの中で左右に体を揺らすことから、この名前がつけられたそうなのです。1頭1頭違うからこそ、向き合い方が難しい癖。他の馬の癖についても、また取り上げさせていただきたいと思います。

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