ジェフが仲間を叱ったワケ
【2月15日】
ジェフはごっつナイスガイだ。彼がJFKの一角として目いっぱい腕を振っていたころ、チームの仲間は口々にそう言っていた。僕も「ええ男」エピソードを持っているので紹介したい。
この日、阪神駐米スカウトのジェフ・ウィリアムスが宜野座を訪問し、しばし盟友の藤川球児と歓談していた。その後もチーム関係者と親交を深め、午後は打撃ケージの傍らで同じく阪神OBで駐米スカウトのエフレン・ナバーロと何やら対話…。そんな彼を眺めながら思い出したことがある。
現役時代に助っ人仲間を叱責したことを…。
あれは09年の2月、ここ宜野座での一幕だ。当時、ケビン・メンチという4番候補の新助っ人が金本知憲のバットを借りて打った日があった。デイリーの若い虎番がそれを見つけ、練習後のメンチを追いかけた。近隣のプール施設で疲労回復に努めた助っ人一行を出待ちし、その意図を直撃したが、メンチは「知らないよ」と煙に巻いてホテルへ帰ってしまった。その道中、ワンボックス車に同乗していたジェフはメンチの言動をたしなめた。
「あの記者はキミの練習を真面目に見てわざわざ一人で聞きに来たんだ。なぜ、誠実に答えてあげないんだ」
ジェフに諭されたメンチは反省し、翌日その記者に「鉄人バット」を拝借した真意を説明した。取材した後輩からその中身を聞かせてもらったが、よく覚えていない。それよりもジェフのおとこ気が鮮烈過ぎて…。
そんな助っ人、後にも先にも聞いたことがない。僕はジェフを担当した球団通訳にワンボックス内の事実を教えてもらったわけだが、その通訳と感動を共有したことをよく覚えている。
あれから17年経った。ジェフの髪と髭はすっかり白くなったけれど、仲間に語りかける口調は変わっていない。
前日14日に沖縄入りしたジェフは早速チームのホテル内で助っ人陣とコミュニケーションを図ったという。
「自分が経験したことを全て話して彼らを助けてあげたいと思ってるよ」
ジェフが現役時代に経験したこと…
もう一つだけエピソードを書けば、今は役に立たないかもしれないが、阪神のコミュニティーで人望を築いたジェフならではの経験もある。
JFKが躍動した当時の甲子園はまだ黒土が柔らかく、マウンドも深く掘れやすかった。硬い足場を好んだジェフの希望を叶えるため、阪神園芸がひと肌脱いだことはファンの間であまり知られていないかもしれない。
クロスステップのジェフは、踏み込む右足が他の左腕より随分一塁寄りだった。が、実は、甲子園のマウンドはそこだけピンポイントで赤土を施してあった。ブルペンでジェフが足を着く位置を確認し、縦40cm横20cmほど硬土を入れて水加減を配る巧みの技…レジェンド助っ人は今も感謝を忘れない。
僕が見る限り、今の助っ人はみんなナイスガイだ。ジェフは自身が「徳を積んだ」経験を彼らに伝えただろうか…。徳?はて、英語で何というのか。今度、通訳に聞いておく。=敬称略=
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