刑法が変わりました

 【9月5日】

 阪神が球団公式サイトやツイッターなどSNSを通じ「警告」を発したのは先月25日のことだ。チームや選手への誹謗中傷、暴言、嫌がらせに毅然と対処する…そこに選手を守る本気度が伺えた。

 「チームや選手への行き過ぎた誹謗中傷や、違法な投稿に対しては、当球団として警察への届け出や法的措置を執る場合がございますので予めご了承下さい」

 阪神球団は、日々ツイッターなどSNSを注視しており、警告文に選手を守る使命感がにじむ。

 近因となったのは、インスタにおける青柳晃洋への中傷コメントである。これに対し本人は「こんなことは多々あるので僕は全く気にしてないですけど、多々あってはいけないので今回投稿させてもらいました。気にはしないけど、やはり気分が良いものではないです」と投稿。球団は中傷の内容を確認したうえで即座に動いた。

 「どうせ脅しだけだろ?」。SNS上でそんな投稿もあったが、当欄冒頭で「注意喚起」とせず、「警告」と書いたのは、球団が厳しい措置を厭わないという意だ。

 「刑法が変わりましたから」

 阪神電鉄の本社役員は、僕にそう語った。その通りで、今年6月の刑法一部改正により「侮辱罪」の法定刑が引き上げられることになった。これまで同罪の法定刑は「拘留(30日未満)または、科料(1万円未満)」。

 改正後は「1年以下の懲役、もしくは禁固。30万円以下の罰金、または拘留もしくは科料。公訴の時効も1年から3年に」。

 ネットで中傷被害を受けた女性プロレスラーが命を絶ったことを機に厳罰化の機運が高まり、それでもなお悪質な投稿が後をたたないことが法改正の背景にある。

 大学時代の後輩が2人弁護士になった話を以前ここで書いた。彼らに話を聞いて興味深かったのは法改正後は侮辱罪が注目され、誹謗中傷に対する相談件数が増えたこと。また、従来なら被害届を出して警察が動かなかったケースも今は捜査に乗り出すこと、等。

 SNSで悪質な投稿があった場合「発信者情報開示請求」という方法で投稿者を特定できる。実例として、被害者が、特定された投稿者の勤務先まで出向き謝罪を求めたケースもある。そうなれば加害者の社会的地位は失墜し、場合によっては職を失う。犯罪は償いを伴う。その基準は、悪質な投稿者の身勝手なモノサシの上に成り立つものではない。被害者が侮辱と感じ、苦痛を被れば罪。これくらいいいだろう?が通用しないのは、例えば痴漢という卑劣罪がそうであることと何ら変わらない。

 あるアカウントを開示請求したところ、投稿者が被害者の身近な者だった-というケースもある。

 「身近な人間がやっていることがあります。嫉みですね。或いは『誹謗中傷は悪』と加害者を非難している人間がやっていることもある。加害意識が麻痺しているんです」と、前述の弁護士は語る。

 阪神は動いている。警告が脅しでないことは、加害者が身を以て知ることになる。=敬称略=

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