大物臨時コーチが来る?

 【12月7日】

 川相昌弘を阪神の臨時コーチに招聘する。そんなニュースに虎党はたまげた。一年前のことだ。憎っくき読売のレジェンドがウチのコーチに!?Gアレルギーの方はさぞかし虫唾が走っただろう。

 しかし、いざ川相が宜野座にやってきて阪神の内野手に手ほどきし、その言葉、その中身が報じられると、虎党の心は動かされた。

 往年の名手がタイガースの若手から慕われる様子を見ていると、あれ?人柄が良さそう。それに、なんといっても、TGの“国境”をこえて来てくれた「守り」の救世主…ええ人やん?宜野座を去る頃には、全国虎党からの「川相コール」が聞こえてきそうだった。

 川相招聘の仕掛け人ともいえる阪神球団副社長の谷本修はそのあたり抜かりない。球団、コーチ、選手、ファン…諸々の摩擦をクリアできそうなこの人ならうってつけ。球団に川相の岡山南高時代の後輩横谷総一がいることもあり、「禁じ手」と目されたTG交流が実現したわけだ。

 川相が短期間で選手のモチベーションを上げられたのは、抜群の実績以上に、人柄ゆえの信頼感ではなかったか。それこそ阪神コーチ陣のお手本にもなったと聞く。

今年、ヤクルトとの開幕戦で川相が神宮を訪れ、阪神の全選手、スタッフを激励する姿に谷本は感激していた。放送席に座れば解説はナチュラルな阪神寄り。だから、来春もぜひ宜野座へ…そう期待した読者も多かったと思うけれど、敵軍も放っておかない。巨人のファーム総監督に就任してしまっては叶わない、残念ながら。

 先週から書いてきた「阪神の成果主義」でいえば、川相の臨時コーチングの成果が出るのはこれからだと期待している。

 それはそうと、かねて書いてきたように、エラーの数多いやんけ!と、数字だけとって批判の対象にするほどナンセンスなものはない。守備範囲が広くなれば、また守備シフトが的確になれば、当然ヒット性の打球に追いつきグラブに触れる確率が増える。触れればEランプがついてしまうのだ。

 ちなみに記しておく。阪神が採用する第三者(社)のデータシステムによれば、今季、守備シフトによって失点を防いだポイントは阪神がリーグ最多であったこと。これは球団の分析担当、現守備コーチ陣の成果であったことを。

 来年2月のキャンプでまたサプライズがあるのだろうか。

 きのう、松井秀喜のハナシを書いた。ゴジラが指導者として宜野座へやって来れば…。TGの壁が取っ払われたいま、「可能性がない」ことではなくなった。もし、そんなことがあれば川相以上のビッグニュースになる。え?もしかして??いや、残念ながら来春はない。しかし、松井秀喜でなくとも、実は、臨時コーチのアイデアは球団内で今オフも検討されてきた。今のところ、来春キャンプへの招聘は見送られそうだけど、来年以降、あっと驚く人選が見られるかもしれない。それもこれも唯一無二の成果へ導くためのプロセスである。=敬称略=

関連ニュース

編集者のオススメ記事

吉田風取材ノート最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(阪神タイガース)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス