阪神・矢野謙次新コーチ「結果に追われる選手の“帰れる家”を作りたい」 選手への接し方の極意とは

 2リーグ制以降では球団史上初の連覇を果たした藤川阪神が、高知県安芸市で秋季キャンプを行っている。来季の新体制もこのほど発表され、インタビュー企画「新コーチに聞く」がスタート。第1回は矢野謙次1軍打撃チーフコーチ(46)が登場する。今回は全2回の2回目。

  ◇  ◇

 -選手に声を掛ける際に気を付けていること。

 「まず選手の話を聞くことです。自分が思っていることを伝えるのではなく『今どう思っていたのか』を僕が聞いて教えてもらう。それでアイデアを提案する時もありますし、何も言わない時もある。その時の選手の表情やプレーの内容などで判断して決めてやっています」

 -ご自身の、指導の師となる人は。

 「国学院大学の時の竹田利秋監督(現総監督)のやり方が、ベースになっているところがあります。それを今までの経験や勉強してきたことから、僕流にアレンジしたり時代に合うようにアレンジしたり」

 -具体的には。

 「今やっていることと一緒で、まずは体を正しく使うということですね。それが一番にあってあとは考え方、物事の捉え方。あと僕らも聞かれてました。『お前ら、どう思ってたんだ?どう思ってあの球を振ったんだ?投げたんだ?』と」

 -朝練にも付き合う。

 「楽しくて、しょうがないんですよ。全然疲れないです。朝からこの時間(午後5時頃)になってますけど、楽しくてしょうがないので全く疲れないですね。タイミングもいつも見計らっていて、選手が今(アドバイスが)欲しいところかな?とか『今は放っておいてくれ、自分でやるところだから』とかを常に見る。今、助けてほしいサインが出てそうだなっていう時に行く感じ」

 (続けて)

 「基本は選手が自分で考えて、行動してほしい。行動して失敗するやり方をしていても、その時にその子が『自分はこのやり方で行くんだ』というのが見えた時は、僕は何も言わないです。失敗するんですよ。でもそれもいいんですよ。失敗したことで、このやり方や考え方ではうまくいかないと分かったことが成功なんです。もし成功したとしたら、それはそれで自信にすればいい。失敗しても成功。どう転んだって成功で成長につながるっていうふうに考えてやっています」

 -巨人では選手の兄貴分的な存在だった。選手との関わり方で意識している部分は。

 「もう46歳なので兄貴ではないけど、選手は特にシーズンに入ったら結果に追われますよね。たぶん、春季キャンプに入った時点ぐらいから。今も、もしかしたら追われているかもしれない。その時に本音や悩みを言えない、吐き出すところがないっていうのは、つらいし苦しいと思う。僕もそうでしたし、そういう選手もたくさんいて。そういうのを吐ける場所、“帰れる家がある”ような安心を作りたいなと思っています」

 (続けて)

 「そういうところから不調の脱出口が見えたりというのもあるし、成長のきっかけになることもいっぱいある。でも、僕は兄貴分のように見えてものすごくドライで厳しいシビアな部分もあるので。ダラダラなんでもいいよっていう接し方はしてないですね」

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