阪神 連覇も“途上”藤川監督「勝ちながら育てる」の新戦略 3連覇&常勝へ-ドラフトに見た本気
デイリースポーツ虎番記者が、球団初のセ・リーグ連覇を果たした藤川阪神2年目の秘話を明かす連載がスタート-。
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ドラフト前夜。担当キャップとして二者択一を迫られていた。当日、阪神の1位指名は青学大・渡部か、明大・榊原か。悩んだ末に主戦が伏見、梅野、坂本と年齢層が高い捕手の補強に動く-と踏んだ。だが、結果的には榊原を選択。畑山統括スカウトは会議後、「してやったり」と笑った。
後日。“答え合わせ”を進めていくと、指揮3年目に向かう藤川監督の覚悟が見える。確かに当日まで決まっていなかった。ただ、監督、球団首脳、スカウトの意見が「榊原1位」で一致。一本釣りに成功した。「広い甲子園球場を本拠地に、長く活躍できる選手」とホレ込んだ逸材だった。
終わって見れば支配下で7人、育成で2人を指名。内訳は投手4人、捕手1人、野手2人。いずれも即戦力を期待する大卒社会人、独立リーグを経た選手を獲得した。球団で育成を含む高校生の指名なしは、95年のドラフト以来31年ぶりのことだ。「戦力層の幅を広げたい」。背景には終盤戦、そしてCSファイナルSの4連敗があった。
特にCSでは佐藤輝、森下がコンディション不良。左手首の骨折から急ピッチで復帰した近本も、シーズン終盤では疲れが見え始めていた。結果的に同シリーズでは4戦無安打。満身創痍(そうい)で出場を続けてきた中野も含め、主力選手の代役不在が短期決戦の勝敗を分けた。顕著に出たチームの課題を、まずはドラフトで補強した形だ。
「これまでレフトを補強しなかったのは、どうしてもそこを競争させたかった。言い方を変えれば、この2年間はチャンスはあったよね、と。でも、来年はどうなるか分からない。一瞬かもしれない。でも、それをつかまないと。本当にそういう世界ですからね」
勝ちながら育てるを実践し、リーグ連覇を達成した。ただ、それぞれ主力選手の年齢層が上がり、4番・佐藤輝のメジャー移籍も確実。過去2年、積み上げてきたチームを「一度、壊す。今年より、さらに」し、「当然のように出ていた選手が出られなくなることもあってしかるべきだと思う」と、聖域なきチームの解体も明言する。指揮3年目、3連覇に挑む本気度。過去の2年以上に手腕が問われる1年になる。(デイリースポーツ・田中政行)
