阪神・才木 中日・高橋宏と9回0封投げ合い「しっかり役割は果たせた」 チーム5連敗も巨人負けてマジック「16」

 「阪神0-1中日」(13日、甲子園球場)

 勝利につながらなくても、熱投の価値は色あせない。阪神は2戦連続の完封負けを喫した中、先発の才木浩人投手(27)が9回3安打無失点。中日・高橋宏との“ひろと”対決で、一歩も譲らない投球に加えて自ら安打も放ち意地を見せた。優勝マジックは一つ減って「16」に。悲願のVへ、残り試合も右腕の奮闘に期待がかかる。

 最後の打者を打ち取ると、球場360度から大きな拍手と「才木」コールが起こった。ベンチへ戻った右腕は、充実の表情を浮かべた。

 「結果的にゼロでいけたので、しっかり役割は果たせたかなっていう感じではあります」

 しびれる投手戦で、才木は一歩も引かなかった。中日・高橋宏との投げ合い。「向こうもいいピッチャーで、なかなか点は入りづらいだろうなって予想はできていた」と立ち上がりからエンジン全開だった。

 二回は先頭の石川昂、2死から岡林とウイニングショットのフォークで三振に。虎が誇るドクターKが力を発揮。この試合で奪った三振は9個で、シーズン164奪三振とし、リーグ断トツをキープしている。

 ようやく立った9月の初マウンドだった。8日、10日と予告先発だったが、雨の影響で登板が流れていた。中13日空いたが「天気はしょうがない」と割り切り、集中力を切らすことはなかった。

 なんとかしようと、打撃でも奮起する。0-0の八回は2死から、高橋宏の153キロを中前に運んだ。「ちょっとさされましたけど、よかったです」。ベース上でニコッと笑った。勝利のために懸命に戦う姿にスタンドも沸く。九回、マウンドに上がる右腕に大きな拍手が送られた。声援に応えるように、1番からの好打順を3人で片付けると、力強く拳を握った。

 「ああいう声の中で野球ができるのは、すごくありがたいなと思う」。かみしめるように話した右腕。9回113球の熱投で3安打無失点。二塁すら踏ませない圧巻の内容だった。これで中日戦は、22イニング連続無失点となった。

 ただ打線の援護がなく、9勝目とはならず。高橋宏との“ヒロト対決”も4戦未勝利となった。チームは今季ワーストの5連敗を喫したが、2位の巨人が敗れたため、ゲーム差は0・5のままで、マジックは一つ減って16となった。

 「まだ全然終わってないですし、また明日も(試合が)ある。しっかり自分は自分のできることをやって、いいものを見せられたらいいかなと思います」

 才木の言うとおり、まだ何も終わっていない。次の登板でも気迫のこもった投球で、チームをけん引する。

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