阪神・佐藤輝 なるか5冠 残りは20試合、安打数&出塁率も現在トップ 史上5人目、球団バース以来の偉業に挑む

 なるか5冠-。阪神の佐藤輝明が、セ・リーグ打撃タイトルの完全制圧を視野に入れている。打率、本塁打、打点に加え、安打数と出塁率もトップをひた走る。セ・リーグ、そして球団では86年バース以来となる偉業だ。初のセ連覇に添える、大輪の花は咲くか。

  ◇  ◇

 セ・リーグの規定打席到達者が並ぶ、打撃成績表。佐藤輝の欄は、1位を表す白抜き数字で真っ黒だ。従来の長打力に加え、今季は開幕からヒットを量産。死角はどこにも見当たらない。

 2リーグ分立後の球界で打率、本塁打、打点を制した三冠王は6人、11度。このうち安打数と最高出塁率も獲得し、計5タイトルを独占となると4人、5度に絞られる。

 阪神ではもちろんこの人。史上最強助っ人、ランディ・バースだ。85年には、当時のプロ野球最多の64年王貞治(巨人)55本塁打に肉薄する54本塁打を放ち、シーズン最終戦を迎えた。10月24日巨人戦(後楽園)。前日までセの出塁率1位は巨人の吉村禎章・432だった。バースは・423。この試合で巨人バッテリーは、バースに4四球を与えた。これによりバースの出塁率は・4280に上昇した。吉村は4打数で安打、四死球ともなく、出塁率は・4275に下落。王の本塁打記録は守られたが、吉村が目前にしていた出塁率のタイトルはバースに譲るという、皮肉な結果になった。

 バースは86年にも、他を寄せ付けない打棒を見せる。本塁打、打点とも前年を下回ったが。打率・389はNPB最高。あのイチローですら上回れなかった数字は、40年たっても輝き続ける。出塁率も・481で、今度は2位クロマティ(巨人)・422以下を圧倒した。

 初の5冠達成は、73年王貞治である。当時は最高出塁率ではなく「最多出塁数」だった。四球数124は両リーグ唯一の3桁で、これが大きくものを言った。三冠王3度の落合博満は、82年に自身唯一の5冠を獲得。86年にはプロ野球記録となる出塁率・487をはじき出したが、安打が150に終わり、ブーマー(阪急)173に及ばなかった。NPB直近は04年松中信彦(ダイエー)で、平成唯一の三冠王が残る2部門を制した。

 今季残りは20試合となった。マジックこそ点灯しているとはいえ、巨人とのつばぜり合いは続く。佳境に入ったシーズンを、佐藤輝が5冠で締める。(デイリースポーツ・高野 勲)

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