阪神・中野 25試合ぶり打点が千金2点打 前夜ミス返上「何とか助ける守備を」及川救う好守
「阪神3-1巨人」(30日、甲子園球場)
いつもはつなぎ役に徹する男が試合を決めた。阪神・中野拓夢内野手にとって出場25試合ぶりの打点は貴重な2点適時打。「個人としてなかなかチャンスで打ててなくて、打点がないというのはあったんで」。犠打や進塁打、チャンスメークで貢献しているが、心のどこかにチクッととげは刺さっていた。
小さな痛みを和らげるような一打は三回。1点を先制して、なおも1死一、三塁だった。6球目に近本が二盗を成功させたところで、相手捕手の大城が異変を訴える。10分以上に及ぶ中断の末、捕手が甲斐に代わった。フルカウントでのリスタート。「すごく入りづらいというのはあったんですけど、三振だけはしないように」。経験を生かし、腹をくくった。
小笠原の浮いたチェンジアップを逃さず、中前への2点適時打。タイムリーは6月28日の広島戦(マツダ)以来、約2カ月ぶりだった。伝統の一戦で3連勝を決め、お立ち台にも上がる。「最高です」。4万人以上の視線を集め、笑顔で声を張り上げた。
守備でも貢献する。七回1死一塁では松本の二遊間のゴロに横っ跳び。29日は及川の登板時に珍しい失策で失点につながっていた。「何とか今日は及川を助ける守備をしたいと思っていた」。これぞ職人。森下がベンチスタートという中、1、2番の“チカナカコンビ”が機能した。
仕事人ぶりは家に帰っても同じだ。今は愛娘の成長を見届けるのが至福の時間。「めっちゃ大きいんよ」とすくすく育つ姿に優しい笑みがこぼれる。ミルクをあげ、おむつの交換、休日にはお風呂にも入れる。つい先日はお食い初めにも立ち会うことができた。守るべき人が増えた男は強く、たくましい。
日程的にも苦しい8月を乗り越えた。自身も体の痛みと戦いながら、決死の覚悟で出場したこともある。「3連勝できたのはすごくいい流れで今後もいけると思う。油断することなく、目の前の試合を全員で勝てるように集中していきたい」。打線にも、二塁にも中野がいるだけで安心できる。
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