阪神・坂本 下村初星バットで導いた「それが一番良かった」降板直前“土壇場”六回逆転V弾
「巨人2-3阪神」(13日、東京ドーム)
クールな表情でダイヤモンドを回ったが、ベンチに帰ると感情を爆発させた。坂本が決勝の逆転6号2ラン。伏見に頭をしばかれ、森下とは共鳴するように絶叫。女房役として下村をプロ初勝利に導き、「それが一番良かった」。感謝を伝えられると、照れるようにほほ笑んだ。
1点ビハインドの六回1死一塁。追い込まれながら、西舘の少しだけ浮いたフォークを逃さなかった。「越えてくれ」。その思いは届き、左翼席に飛び込んだ。「気付いたら入っていたんで良かった」。下村の先発試合では前回の1試合2発に続き、3本目のアーチとなった。
8月に入って、勢いが止まらない。月間4本は佐藤輝の5本に次いで、チーム2位タイ。キャリアハイを更新する6号は森下、佐藤輝、大山の強力クリーンアップに続いて、チーム4位と猛虎打線に欠かせない存在となっている。四回無死一、二塁ではバント失敗もあったが「野球はミスを取り返せるスポーツ」と倍返しの一発を放った。
「そこまで気にして打席には立ってない」と言うが、下村に勝ちを付けられたことは格別の思いだったに違いない。昨季終盤、ふとした会話で注目の若手を聞いた時だった。一番に名前が挙がったのが下村だった。「まだ(球を)受けたこともないけど、ファームの関係者から『すごい』と聞くから。楽しみだよね」。1軍の全5試合でバッテリーを組み、念願の白星をプレゼントできた。
「これがスタートというか、一つの節目になると思う。また次の勝ちに個人的には貢献したい。自分のために、チームのために腕を振ってくれたらいいなと思う」
主将が一発を打てば、昨季から7連勝。この数字を見ても、いかに効果的なアーチを描いているかが分かる。「目の前の試合、1個ずつしか勝てない。相手は関係なく、目の前の試合を勝ちたいだけ」。ゲームセットの瞬間に握りしめた右拳の強さが、この1勝の価値を表していた。
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