阪神・木下 プロ1勝「打ってくれるかなと思っていたらほんとに」輝弾呼んだ8戦連続0封 今季3人目のプロ初勝利
「中日1-3阪神」(16日、バンテリンドーム)
最後の打者を空振り三振に斬ると、いつも通りだと言わんばかりにひょうひょうとした表情でマウンドを降りた。1点ビハインドの六回から登板した阪神・木下里都投手が1回無安打無失点でプロ初勝利。試合後には藤川監督と笑顔で写真に納まり、「1」の数字を掲げた。
先頭・村松に四球を与えたが、後続を瞬殺した。サノーと石川昂をいずれも1球で料理し、最後は石伊を空振り三振。この投球が勝利を呼び込んだ。直後に佐藤輝の2ランで逆転。「打ってくれるかなと思っていたらほんとに打ったので、びっくりした」と笑顔で振り返った。これで8試合連続無失点。重ねてきた仕事が結果につながった。
プロ2年目。福岡の自動車ディーラーグループのKMGホールディングス出身。最速159・7キロの直球と縦に変化する2種類のツーシーム、スライダーとカーブで投球を組み立てる。
プロの礎を築いた社会人時代だったが、実は福岡大在学時、プロを目指さず一般企業の就職活動を行っていた。「試合とかぶって面接に行けなかったりした。ダメだったので野球で行くしかないって」。何度も不採用通知を目にした。就職を諦め、社会人野球への道を模索。全日本大学野球選手権大会での出場経験もあり、同社から声がかかった。「ラッキーでした。社会人でまずは2年頑張ろうって思いました」と回想した。
午前7時半から12時まで練習を行い、午後2時から6時まで通常業務に就いた。寮は食事が出なかったため研修中は自炊生活。時には残業をしながらも野球と仕事を両立させる中でプロを目指した。「軽自動車のデリカミニを売っていました」と仕事でも結果を残した。当時の店長からは「おまえは野球を頑張ってくれればそれでいいから」と言葉をもらった。「店長に恵まれた。みんなが試合も見に来てくれた。全然仕事もしてないのに」と謙遜して笑った。社会人経験が宝となり、右腕の力となっている。
2年目での初勝利に「うれしいです」と率直に語った木下。剛速球のように真っすぐプロの道を突き進む。
◆木下 里都(きのした・りと)2001年1月27日生まれ、25歳。福岡県出身。183センチ、89キロ。右投げ右打ち。投手。福岡舞鶴、福岡大、KMGホールディングスを経て24年度ドラフト3位で阪神入団。プロ初出場は25年5月29日・DeNA戦(甲子園)。26年は開幕1軍入り。150キロ台後半のストレートが魅力。
◆今季3人目!プロ初勝利!! 今季プロ初勝利をマークした阪神投手は木下が3人目。これまではプロ4年目・茨木が4月9日・ヤクルト戦、同2年目工藤が7月12日・ヤクルト戦でプロ初星を挙げていた。ちなみに前年25年は外国人投手を除いて伊原、門別、早川が初勝利をマークしている。
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