阪神・森下 通算50勝利打点 4年目到達は両リーグ初 球宴ファン投票&月間MVP初受賞の“ダブル御礼弾”

 「巨人1-4阪神」(8日、東京ドーム)

 振り抜いた瞬間だった。快音と同時に大歓声が湧き起こる。伝統の一戦に訪れた4万2309人の視線が一つになった6秒間。宿敵ナインは打球をただ見送るだけだ。有言実行のキングへ-。リーグトップ独走の今季21号をたたき込み、阪神・森下はゆっくりと走り出した。

 「初球から強く振るための準備を試合前からしていたので、1球で捉えることができて良かったです」

 初回2死。中大の1学年後輩・西舘が投じた甘い球を逃すはずがなかった。初球152キロを完璧に捉えた打球は、長い滞空時間を経て左翼バルコニー席へ着弾。飛距離129メートルの特大アーチで先制点をもたらした。「打ってないということは課題があるので、そこをいち早くつぶさないといけない」と、3打数無安打だった前夜からの修正が結実。本塁打数リーグ2位の佐藤輝を5本差に引き離した。

 7日には「マイナビオールスターゲーム2026」のファン投票で両リーグ最多79万498票を集めて2年連続の出場が決定。この日は、6月度の「大樹生命月間MVP賞」初受賞が発表された。大きな期待に応える“ダブル御礼弾”。この一発が決勝打となり、プロ通算441試合目で球団最速となる通算勝利打点「50」に到達した。さらにプロ4年目での達成は両リーグ初だ。

 日に日に現実味を増す本塁打王の座。オフにはタイトルへの思いを語っていた。昨年は自身初のベストナインを獲得してNPBアワードに出席。晴れの舞台で、喜びに満ちていた心に羨望(せんぼう)の感情が交じった。「(表彰の順番が)最後の方なんですよね。それを見た時に個人タイトルを取りたいなとすごい思った」。初の栄冠へ、体の奥底から湧き上がるものがあった。

 目標達成へまた一歩近づいた夜、宿舎へ戻る背番号1はどこか不満げだ。「それ(本塁打)以降の打席は…ちょっと修正できなかったかなという感じです」。まだまだ、こんなものじゃない。飽くなき向上心が、若き主砲をさらなる高みへといざなう。

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