阪神・村上が愛した唐揚げ定食 東洋大時代チームメートと通った中華料理店「二代目蝦夷」
今シーズン中の連載企画「アスリートの勝負メシ 思い出の食事」の特別編として、阪神・村上頌樹投手(27)が東洋大野球部のチームメートと足しげく通った、埼玉県川越市の中華料理店「二代目蝦夷」を紹介する。村上自身も驚いたデカ盛りが特徴的な同店の岡安清純オーナーが、大学時代の村上について述懐。食事中に漏らした“本音”についても明かした。
村上が愛した町中華は、東洋大川越キャンパスから徒歩5分に位置する。店内には阪神入団直後に書いたサイン色紙が飾られ、「砂肝最高!」という文字が躍る。他にも唐揚げやチャーハンを好んで食べていたというが、味はもちろん、おなかいっぱいに満たしてくれたデカ盛り具合も印象に強く残っている。
「量が多くておいしいというのが、自分ら学生からしたらめちゃめちゃいいですし、うれしかったです。日曜とか寮で夜ご飯が出ない日に、みんなで行かせてもらったりしていました。かなり量が多くて。『いけるやろ』と大盛りにしたらちょっと危ないので、気を付けた方がいいと思います」
「二代目蝦夷」は来客の間やネット上では、「大食いの聖地」と呼ばれる。看板メニューの一つである唐揚げは、ラーメンのしょうゆダレを味付けのベースに、にんにく、ショウガも加えて食欲をそそる。サイズは選択可能で、普通で唐揚げ500グラム。ダブルは1.2キロ、トリプルだと2キロという、驚異的な量が山盛りにされる。
岡安オーナーは村上との初対面の印象を、「甲子園で優勝して、鳴り物入りの注目選手でした。でも、あまり体が大きくなくてビックリしたんです」と鮮明に覚えている。「プロになる子はどこか我が強いのかなと思うのですが、村上君はいつも謙虚。仲間を立てて、静かにほほ笑んでましたね」。食べっぷりについては、「そんなには食べてなかったと思います。ムキになって食べるタイプではなかったですね」と回想した。
証言の通り、村上は「一人じゃダブルは食えないんで。シングルでさえあやしいので。みんなで行って、ダブルを頼んで一緒に食べていました」とチームメートとシェアをして、デカ盛りと向き合った。中日・梅津、ソフトバンク・上茶谷、西武・甲斐野、オリックス・中川は、東洋大の2年先輩。プロの世界でしのぎを削っている面々とも、店を訪れていた。
先にプロへ進んだ先輩と自分を比較した村上が、岡安オーナーに偽らざる胸中を明かすこともあったという。「『150キロ半ば、160キロに届くくらいのスピードで投げる(投手もいる)のに、僕は150キロ出ないんです。でも、僕には僕の持ち味があって』と謙虚に話されてましたね。ただ、ご飯を食べてるうちに徐々に本音が出てきて、『速い球を投げられるのが、実はすごくうらやましいんです』とはにかんでいたことも覚えています」。
プロ入り後、150キロを超える直球を投げるようにはなったが、平均は140キロ台後半。それでも制球力など“僕の持ち味”に磨きをかけて、今季は3冠を達成した。学生時代、唐揚げを頰張りながら漏らした言葉は、今でも成長への指針となっている。
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