阪神・近本“長嶋スピリット”継承 ゴールデンスピリット賞受賞で決意新た 社会貢献の意識「しっかりつないでいく」

 ゴールデンスピリット賞を受賞した近本(撮影・佐々木彰尚)
 2012年の授賞式で長嶋氏(左)から阿部雄二賞を授与される藤川
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 プロ野球人の社会貢献活動を表彰する「ゴールデンスピリット賞」の第26回表彰式が9日、東京都内で行われ、受賞した阪神の近本光司外野手(31)が出席した。第1回から選考委員として携り、今年6月に亡くなった長嶋茂雄さんも現役時代からチャリティー活動など社会貢献活動に尽力。近本は“長嶋スピリット”を継承し、生涯活動を続けていくことを宣言した。

 近本が思い描く未来はずっと先にある。「この賞を取ることができるような人になりたいと思っていました」。壇上でのあいさつで受賞の喜びを語った。ただ、社会貢献活動をすることがゴールではない。その思いを受け継いでいくこと。選考委員として長く関わってきた長嶋さんの分まで、継承していく意気込みだ。

 「(ゴールデンスピリット賞は)26年続いているし、続けることってすごく難しいこと。ただ続けるだけじゃ意味がない。(長嶋さんの)そういう思いだったり、理解した人がしっかり次につないでいくことが大事」

 近本が社会貢献を意識したのは大阪ガスに就職後だった。「なぜ野球を続けるのか」。子どもの頃に受けた野球教室を思い出し、子どもたちや地元に還元することに行き着いた。阪神入団2年目に「近本シート」を実施し、地元・淡路市在住者を年間240人招待。24年には一般社団法人「LINK UP」を設立して離島支援や地方創生活動に注力し、淡路島や離島の子どもたちに向けた野球教室を開くなど精力的に社会貢献を行った。

 「僕がどこのチームに行っても、プロ野球を引退してもこの活動は続けていきたいし、僕が死んだとしてもこの活動を引き継いでくれる人が出てきてくれたらすごくうれしい」。生涯活動を続けることを誓うとともに、「自分で考えて、次世代のために活動してもらえたら」と未来ある子どもたちに“社会貢献の種”をまいていく考えだ。

 子どもたちや地域の人との関わりは、長いシーズンの原動力にもなっている。「当日球場に来てもらう人のために『よし、頑張ろう』っていう気持ちになれる。そういった意味で、プレーにも成績にも影響してくる」と相乗効果にうなずいた。

 一方で全国の中学校の部活が26年度以降、地域に移行されていく。近本は地域への貢献活動で、野球をする機会が奪われないように尽力することを誓った。今オフも自主トレは村上と淡路島で行い、「地元の特産品だったり、淡路島に来て宿泊していただいたりが僕の中での貢献」と話した。地元、野球、そして長嶋さんの思いも胸に活動し続けていく。

 ◆ゴールデンスピリット賞 積極的に社会貢献活動に取り組むプロ野球関係者に贈られる賞。1999年の第1回は松井秀喜(巨人)が受賞した。今回の選考委員は栗山英樹氏、原辰徳氏、榊原定征コミッショナー、佐山和夫氏ら。

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