阪神・近本 噂の「祈りポーズ」誕生秘話明かす きっかけは人気アニメ 「野村コーチと『神様』って」

 阪神の近本光司外野手(30)がデイリースポーツ読者に向けて、特定の試合やシーンで何を感じていたか、何を考えていたかを明かす新企画「余韻」。第2回は「祈り」、「走塁」にスポットを当てる。SNSでも話題になったサヨナラがかかったシーンでのお祈りポーズ。その知られざる誕生秘話を明かした。

  ◇  ◇

 デイリースポーツの読者の皆さん、こんにちは。阪神タイガースの近本光司です。もうすぐ前半戦が終わります。今季は新しい監督、新しい野球になりましたが、自分たちの野球が少しずつ見えてきたかなと感じています。どうすればいい形で試合運びができるかといった作戦面は、ある程度浸透してきたかなと思います。

 さて、ここからはあのシーンについてお話ししたいと思います。3日・巨人戦(甲子園)の九回無死満塁、豊田の打席で、僕がベンチで祈っている姿がテレビに映りました。あの時はもう打席も回って来ないと分かっていたので、準備することもなくて。だから、祈っていました。「頼む、打ってくれ」とか「頑張れ」とかそういう感情でもなくて。ただ、何かを念じているだけでした。そしたら豊田がマルティネスからサヨナラ犠飛を打ってくれたんです。

 6月6日・オリックス戦(甲子園)で(木浪)聖也がサヨナラを決めた時も祈っていました。その時は隣にいた森下もまねしていました。ここまで祈ったら100%サヨナラ勝ちしているんです。まあ、まだ2回しかないですけど(笑)。

 これを始めたきっかけは「チ。-地球の運動について-」というアニメでした。舞台は15世紀のヨーロッパ。話の中では「C教」が社会の中心となっていて、神様の教えに背くと裁かれます。それを見て影響を受けて。ある日、野村バッテリーコーチが「くそ!」って言っていた時に、「そういう言葉を使ったらダメです。『神様どうかお許しをください』って祈るんです」って僕が言ったんです。

 そこから2人でハマって。僕がチャンスで打てなかったりして帰ってきて、『くそ!』って言っていたら『何、その言い方!』って野村コーチに言われます。逆にヒットを打ったり、いいプレーができたら、「神様」って祈るポーズを2人でベンチでやっています。だから1日・巨人戦(甲子園)の七回、フェンスに張り付きながらジャンピングキャッチした時もグラブに「マジ感謝」って言っていたんです。

 そういう意味では、今年はキャンプの時から『感情出ているな、楽しんでんな』と自分で感じていました。でも、プラスの感情が良くて、マイナスの感情が悪いわけではないと考えています。試合中は感情を出さないといけない場面もあるし、抑え込まないといけない場面もあります。抑え込むことがいいわけでなくて、時には出してもいいと思っています。

 実は、5安打を打った5月17日・広島戦(甲子園)では試合前から怒っていました。試合途中からはもう冗談で態度に出していたのですが、次の日、野村コーチから「昨日すごい怒ってなかった?」って聞かれて。「ブラック近本っすね。たぶん悪魔とりついていましたよ」って答えました。それからは「5安打できるから早くブラック近本になってよ」と言われるようになりました(笑)

 今年感情を出せているのは、「LINK UP」の活動で子供たちと触れ合う機会が多いこと、ポッドキャスト「チカブレンド」の存在も大きいと思います。僕のイメージはテレビ越しのイメージだけではないし、そうじゃないことの方が大きい。ギャップが絶対あるんだろうと思いながら、違った一面もあるということも知ってもらいたいなと思っています。

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