阪神・伊原 オフは単独自主トレ 同学年森下「自分対自分」助言に決断 ひとりで向き合い“スタイル”確立へ
阪神・伊原陵人投手(25)は今オフ、単独自主トレに踏み切る。決断の背景には、同学年である森下の言葉にあった。ルーキーイヤーの今季は先発と中継ぎで28試合に登板し5勝7敗、防御率2・29でリーグ優勝に貢献した。それでも、1年を通して自分自身の理解を深めることが重要だと感じた。後押ししてくれた森下の助言を元に、さらなる飛躍へ“伊原スタイル”を確立させていく。
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伊原はプロ1年目を終え、オフは1人で自主トレに励むことを選んだ。「ある程度(投球フォームや考え方が)確立してから誰かのところに学びに行った方がいいかなって」。その考えに至ったのは、同学年・森下の助言にあった。
シーズン半ばの遠征先。2人でご飯を食べていた時に自主トレの話になった。森下から「誰かと一緒にやるのはいいことも学べるし、吸収もできる」とメリットを教わりつつ「ただ主催してる人も自分の調整でやっているから、自分の来年のパフォーマンスにつなげるには、自分対自分で練習した方がいい」と言われた。
シーズン中から来季へのプレッシャーを感じていた。「毎年活躍しないと終わっていく。何か進化しないといけない」。今季を通して最も難しいと感じたのは「いいコンディションを保ってパフォーマンスする」こと。そのためにまず自分自身の体の理解を深めることが大切だと考えた。森下からもらった言葉が自身の考えと一致し、決断のきっかけとなった。
秋季キャンプでブルペン入りすることはなかったが、12月からは投げ込む予定。NTT西日本のグラウンドを借り、1月は大商大で練習するつもりだ。12月中に森下が通う野球専門のトレーニング施設「Rebase(リベース)」のような専門施設でのトレーニングや、動作解析を行う予定も立てている。「平均球速、回転効率を上げるとか、やりたいことはいっぱいある」。分析結果を踏まえてトレーニングを細かく行っていく。
取り組みはオフ期間だけで終わらせるわけではない。シーズン中も専門施設に通うことで「悪い時にこうなっているとかアドバイスももらえるし、意見交換ができる」と長期的に分析して「確立」していくつもりだ。
秋季キャンプでは自身の意思をコーチらに伝えて体作りを重点的に行った。「シーズン中はどうしても試合の方に目が向いてしまう。体の根本的なところを鍛えられる期間なので。とにかく量をこなした」と、ランニングやウエートトレーニングに時間をかけた。
強化指定練習が無事終了。「1年間1軍に長くいた理由は絶対ある。1年で学んだことを来年に生かしてほしいために、残してもらった部分もあると思う」。プロ2年目に向けた覚悟は十分。重圧をはねのけ、進化し続けていく。(デイリースポーツ・和泉玲香)
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