阪神・石井「野球の残酷さを知りました」 2点リードでまさか同点被弾、57戦ぶり失点 涙こらえきれず「明らかに力負けです」
「SMBC日本シリーズ2025、阪神2-3ソフトバンク」(30日、甲子園球場)
全力で151試合を駆け抜けたが、最後の最後に目を真っ赤にした。阪神・石井大智投手が流した、悔し涙。「野球の残酷さを知りました」。4月4日以来、57試合、209日ぶりの失点が痛恨の同点弾。今できることを出し切ったからこそ、感じたのは力の差。思わずマウンドで下を向き、敗戦後は涙をこらえきれなかった。
2点リードの八回。及川からつながれたバトンを岩崎につなぐという、シーズン同様のリレーだった。鉄壁と称された、圧倒的な安心感。それが崩れた。1死一塁で柳田に150キロの直球で勝負したが、左翼ポール際に被弾。表情が一気に曇った。
「自分の今できるベストは出せた球だった。技術も力も全てにおいて力不足」
打たれたから言うわけではない。登板した4試合で身に染みた、歴然とした差だった。「本当に通用しなかった。自分的には投げ切れた球だと思ったんですけど、明らかに力負けです」。負けを認め、必死に言葉を振り絞った。
だからといって、シーズンでの歴史に残る記録が色あせることはない。そして、まだ夢の続きがある。「野球人生が終わったわけじゃない。来年は抑えるために頑張っていきたい。また来シーズン連覇をして、絶対に日本一になりたい」。現実を受け止め、また日が昇れば一歩を踏み出す。忘れ物を取りにいくために。
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