阪神・藤川監督の決断が光った日本シリーズ初戦 「采配で勝利をたぐり寄せた」と阪神元監督が称賛
「SMBC日本シリーズ2025、ソフトバンク1-2阪神」(25日、みずほペイペイドーム)
阪神が逆転勝利で初戦を制した。1点を追う六回に森下の内野ゴロの間に同点とし、佐藤輝の適時二塁打で勝ち越し。先発の村上が7回1失点の好投を見せ、及川、石井でつないで逃げ切った快勝。阪神元監督でデイリースポーツ評論家の藤田平氏は藤川監督の采配を称賛した。
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藤川監督の采配が勝利をたぐり寄せたと言える試合だった。
レギュラーシーズンで28試合しか出場していない島田を、「6番・左翼」で起用したことは驚いた。シーズン通りなら左翼には高寺が入ったはずだ。だが、村上と有原の投げ合いで接戦となることを見越して高寺をDHに回し、島田を起用して守備を固める意味があったのだろう。
この抜てきがハマったのは、1点リードの八回無死だった。この回から登板した及川が、柳町に左翼線への飛球を打ち返された。安打かと思われた打球を島田がギリギリで捕球。抜けていれば無死二塁で4番・近藤を迎える場面だっただけに、大きなプレーだった。
その後、2死二塁とされ、ソフトバンクは代打・山川を起用した。藤川監督はここで及川に代えて、石井を送り込んだ。
石井は初球の外角スライダーでストライクを取った後、内角高めの直球がボール球となり、カウント1-1となった。続く3球目は誘い球の外角低めへのスライダー。これを山川が反応せずに見送ってボール球となると、無理せずに4、5球目も同じコースへ続けて四球で歩かせた。
走者をためたくない場面ではあったが、ベンチからの指示で「山川か続く野村で1つのアウトを奪う」という確認をできていたからだろう。
先発・村上の見極めもさえていた。右腕は初回に制球が定まらずに先制を許した後、尻上がりに調子を上げている印象があった。6回を終えて103球だったが、投手出身の監督らしく、相手打者の打ち損じる様子も踏まえて、七回の続投を決断したのだろう。
今回の日本シリーズは、両チームのほとんどの選手が出場経験を持ち、小久保監督も24年に指揮を執っている。藤川監督だけは監督として初出場だっただけに、緊張もあったと思う。
だが、初戦を取ったことで落ち着くだろう。そういう意味でも価値ある先勝だった。
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