阪神・近本 CS突破&日本一へ「楽しむこと」 短期決戦だからこそ「自分らしくプレーすることが大事」
阪神は日本一奪還を目指して、15日から「2025 JERA クライマックスシリーズ(CS) セ ファイナルステージ」を戦う。ポストシーズンの10月に活躍する選手の代名詞「ミスター・オクトーバー」になるのは誰か。トラ番記者がイチ推し選手を紹介する企画の第1回は、プロ1年目からCSを何度も経験してきた近本光司外野手(30)を取り上げる。
CSを戦うのは、もう6度目になる。経験豊富な近本が大切にすることは至ってシンプルだ。
「思い切って楽しむことじゃないかな」
いつでも「楽しむこと」は大事にしているが、短期決戦だからこそより重要だと考えている。「1勝、1敗は(勝ち抜けを)大きく左右するし、ワンプレーが勝ち負けにつながる。だからこそ、結果を恐れずに自分らしくプレーすることが大事なんじゃないかな」。何度も経験している近本ですら「プレッシャーも責任もあるし、勝たないといけない雰囲気にもなる」と言うほどCSは特別だ。
緊張感の中で楽しむことは難しい。だからこそ意味もある。「プレッシャーを楽しもうとする方が、パフォーマンスが出る可能性が高い。ストレスがある中で野球をする楽しさもある」と重圧も力に変える考えだ。それは23年の経験でより感じたことだった。
一昨年のCSファイナルSでは11打数1安打。それでも日本シリーズでは「初めての経験だったし、関西同士だったから、この雰囲気ってそうそう味わえることもないだろうなと思った。それを楽しみながらっていうのはあった」と切り替えた。その結果、29打数14安打、打率・483でMVPを獲得。「最終的に勝っちゃえば何でもいいけど、楽しんで勝った方が後から振り返ってもいいかな」と近本は笑った。
相手が巨人でもDeNAでも「あんまり気にしない」と相性は考えない。大切にするのはワンプレーの重み。打撃だけではなく「盗塁とか走塁っていうところでも流れが変わるから」と話す。もちろん決めればプラスに働くが、ミスすれば相手に流れが傾く可能性もある。今季は32盗塁で4年連続の盗塁王に輝いた。それでも「プレッシャーがかかった中で決められるかは、すごく勇気が必要。勇気を持てるかどうか」と胸の内を明かした。
CSまでの1週間、気持ちはリセットするが、体のリセットはあえてしない。「気持ちはすぐに入ったりするけど、体は結構反応が遅いから」というのが理由だ。試合のない期間が続くが、体が緩まないように、いつもより多めのトレーニングなどで刺激を入れている。「CSは楽しみ」と何度立っても気持ちは高まる。楽しみながら、勇気を持ってプレーし、最高の舞台にする。
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