阪神・茨木 2回0封デビュー「やっと(スタートラインに)立てた」高卒3年目キラリ 雨中断も集中切らさず無安打投球

 「ヤクルト8-1阪神」(21日、神宮球場)

 大量ビハインドに加え、冷たい雨。苦しい試合の中で、阪神・茨木秀俊投手が光をともした。2つのゼロを刻み、スタンドの虎党からは大きな拍手とともに「茨木」コール。右腕は表情を変えることなく、小走りでマウンドを降りた。

 「1イニング目は、ちょっとバタバタしちゃったんですけど、中断もあってうまく修正できました」

 ピンチを背負っても落ち着いていた。0-8の六回、出番が来た。ただ、先頭・伊藤の三ゴロを佐藤輝がファンブル。続く古賀に四球を与え、いきなり無死一、二塁とした。それでも岩田を左飛。続く山野は犠打を試みたが捕ゴロ。並木は中飛に抑え、無失点で切り抜けた。

 七回攻撃終了後、雨が強まり、38分間試合が中断した。投球間隔の空く、難しい状況。それでも「気持ちを切らさず、次のイニングを考えてました」と冷静だった。七回もマウンドに上がると、先頭の長岡を中飛に抑えると、内山は三飛。最後は北村恵のバットをへし折っての一ゴロ。三者凡退に切った。プロ初登板は、2回無安打無失点のデビューとなった。

 プロ3年目。覚悟を持って臨んでいた。オフは地元の北海道に加え、東京に大阪。高校時代を過ごした新潟。さらには沖縄と総移動距離6800キロの自主トレを敢行。「5勝以上を目指して」と目標を立てて、2月は1軍キャンプでスタートした。

 ただ、終盤にコンディション不良で離脱。長い別メニュー調整が続き、「前半戦は何もできなかった」と7月まで復帰に時間を要した。それでも復帰後は2軍で先発として登板を重ね、声が掛かることを待った。そして、ついに1軍初昇格。「やってやろうという気持ちで東京に来た」と気合十分で乗り込み、「強気で攻めることができた」と、うなずいた。

 プロ初登板を果たし「やっと(スタートラインに)立てたので、これからだと思います」と表情を引き締めた茨木。虎の未来を担う右腕が、プロでの一歩を踏み出した。

 ◆茨木秀俊(いばらぎ・ひでとし)2004年6月8日生まれ、21歳。北海道出身。183センチ、87キロ。右投げ右打ち。投手。帝京長岡高から22年度ドラフトで阪神から4位指名。23年4月12日のウエスタン・中日戦(鳴尾浜)で2軍公式戦初登板。同年8月17日の中日戦(バンテリン)で2軍初勝利を挙げた。切れ味のあるストレートが武器。弟の佑太(19)は育成選手としてロッテに所属している。

野球スコア速報

関連ニュース

編集者のオススメ記事

阪神タイガース最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(阪神タイガース)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス