阪神・近本 ミスター超え!プロ7年目通算1071安打「打ててよかった」2戦ぶりスタメンで復調マルチ
「中日5-7阪神」(4日、バンテリンドーム)
待ちわびていた一打が、ここぞの場面で出た。復活を願っていた虎党が沸きに沸く。二塁に到達した阪神・近本光司外野手は穏やかな表情を浮かべた。
「ヒット打ててよかったです」
3点リードの七回無死一、二塁。1ボールから橋本の149キロ直球を力強く振り抜いた。捉えた打球は右翼線へ。二走・梅野が生還。貴重な追加点を挙げ、8月15日・巨人戦以来、15試合ぶりの打点をマークした。さらにこの一打でまた偉大な記録を達成した。入団7年目までの安打数が1070安打に。歴代2位となる長嶋茂雄の記録に肩を並べた。
これまでいつもミスターの背中を追ってきた。入団1年目の安打数は、長嶋の153安打を超える159安打をマーク。昨季はプロ6年目以内の安打数で、長嶋の926本を超えた。
1070安打まであと2としてからは自己ワーストの38打席連続無安打を経験。この日の一本が出るまでも9打席連続無安打と低迷していたが、やっとの思いで今年も追いつくことができた。
近本がプロに入ってから欠かさずしていることがある。それが毎月1日、神社にお参りに行くことだ。「1日には商売の神様が来るから、新札の千円札を入れるのがいいと聞いて」と遠征先でも近くの神社を探して必ず足を運ぶ。
いつも冷静に見える近本だが、打てない時には「神様お願いします」と神頼みする時だってある。「自分の力だけじゃないと思っているから」。そんな考えも持ちながら、これまで努力を重ね、毎年結果を残し続けてきた。
九回先頭では斎藤のスライダーを右中間へ運ぶ三塁打をマーク。8月22日・ヤクルト戦以来11試合ぶりのマルチ安打となった。今季最後のバンテリンドームで、復調の兆しを見せた近本。優勝マジック4として戻る甲子園へいいきっかけにしたい。「また頑張ります」。急いで帰阪するため足早にタクシーに乗り込んだ近本。表情は明るく、視線は次に向けられていた。
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