阪神・佐藤輝 先制V弾!球団生え抜き岡田以来35号 バンテリン大好き!セ・ビジター球場最多6本目

 「中日3-5阪神」(2日、バンテリンドーム)

 バンテリンドームが狭すぎるのかと錯覚してしまう。阪神・佐藤輝明内野手が弾丸ライナーで右翼席に突き刺した。「いやぁ、良かったです。高めの球でしたけど、しっかり振り抜くことができました」。優勝へ、バース以来のホームランキングへ、歩みは止めない。また栄冠に一歩近づいた。

 両軍無得点の三回1死一塁。「翔太(森下)が出てくれて、自分も打ってやろうと思っていました」。森下の中前打に続けと集中力を研ぎ澄ませた。1ボールからマラーの内角高め、147キロの速球に振り負けず。角度はつかなかったが、一発を確信した。

 「球場の広さは感じている?いや、広いでしょ」。口ではそう言うが、苦労を感じさせない。先制の35号2ラン。青く染まった右翼席に放り込んだ。今季バンテリンドームではセ・リーグのビジター球場で最多の6本塁打。「たまたまなんでしょうけど…」。広く、投手有利と言われる場所でアーチを量産している。

 これで球団のシーズン本塁打記録で1985年の岡田彰布(現・オーナー付顧問)に並んだ。生え抜き選手での35本以上は85年の掛布雅之と岡田彰布以来、40年ぶり。また球団史に名を刻むこととなった。

 昨季までの指揮官に成長した姿を届けることもできた。今季の交流戦の頃、テレビ解説で岡田顧問は佐藤輝に相手バッテリーが内角を攻めないことに疑問を抱いていた。以降、確実に厳しい攻めが増加。ただ、この日の一発は内角高め、見逃せばボールのような球をスタンドインしたのだ。

 「すごいイメージ通りだったので、いいホームランだったと思います」

 チームは優勝マジックが「6」となった。自身も本塁打ランキングは2位の森下に16本差。チームも、個人もゴールテープは見えている。「もう変わらず。明日も頑張ります」。Vウイークは4番のアーチから始まった。

 ◆佐藤輝、40年ぶり生え抜き35号 阪神生え抜き選手のシーズン最多本塁打は1979年・掛布雅之の48本。次いで49年・藤村富美男=46本、74年・田淵幸一=45本、49年・別当薫=39本、85年・岡田彰布=35本で、佐藤輝は85年・岡田に並んだ。またシーズン35本塁打は85年の岡田&掛布雅之(40本)以来、40年ぶり。なお、佐藤輝はこの日でシーズン41・3本ペース。40本到達となれば球団日本人では05年・金本知憲(40本)、生え抜きでは85年・掛布以来となる。

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