阪神育成2位・嶋村“打てる捕手”アピール 左腕から右越え1号「成長」実感 守備はビーズリーの相棒で日々勉強中

 打力の高い捕手として入団した嶋村
 守備でも存在感を示す嶋村
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 阪神2軍の注目選手を取り上げる企画「飛び出せ大物」。第9回は育成ドラフト2位・嶋村麟士朗捕手(22)=四国ILp高知=を取り上げる。2月のキャンプ中のケガで出遅れたが、4月に復帰。その後は攻守で存在感を見せている。ウエスタンで47試合に出場して打率・254、1本塁打、16打点。打てる捕手として、将来が期待される若虎の現在地に迫る。

  ◇  ◇

 「りん!」。グラウンドでよく聞く響き。嶋村が周囲から呼ばれる声だ。よく笑う愛嬌(あいきょう)満点のルーキーは、すっかり愛されキャラになっている。ただ、野球となれば左打席から豪快なスイングを見せ、落ち着いた守備で存在感を放っている。

 昨年は四国ILp高知で打率・350をマークし、育成指名ながら打力の高い捕手と期待され入団した。2月の春季キャンプで故障し、4月中旬まで別メニューでの調整となっていたが、復帰後はファームで出場機会を一気に増やしていった。

 6月7日のソフトバンク戦(筑後)。左腕の木村大から147キロの直球を捉え、右翼席へ弾丸ライナーで突きささるプロ1号を放った。「今まで左ピッチャーからあんなにきれいに運べることがなかったので、成長しているのかなと感じました」。元々、左腕相手には逆方向を中心に打ち返すことがメインだったそうだが、練習してきた理想のバットの軌道で仕留めることができた。

 守備でもビーズリーの相棒を務めるなど、先発マスクを任されるようになった。練習ではスローイングやブロッキングといった技術面に時間を割く。配球面に関しては「とにかく試合に出て経験しないと分からない」と実戦を大事にしている。

 試合が終われば、すぐに映像をチェックし、自身のリードを振り返る。「なんであの球を要求したんだろうとか、冷静に見たら分かる部分もある」。成功、失敗、それぞれを頭にたたき込み、日々成長している。

 平田2軍監督も「ハングリー精神があるよな」と、野球に取り組む姿勢を評価している。「まだまだ」と前置きしながら「スローイングも柔らかいし、ビーズリーもしっかり落ち着いてリードできてると思うよ」と話した。

 同期の活躍も刺激だ。ドラフト1位の伊原、同3位・木下だけではなく、育成ドラフト1位・工藤、同3位・早川も支配下を勝ち取り、1軍デビューも果たした。「(バッテリーを)組んで勝てたらめちゃくちゃうれしいと思います」と目指すは同期バッテリーを組むことだ。

 1年目に支配下選手登録を勝ち取ることはできなかったが、下を向くことはない。「とにかく練習からアピールするしかないので」。近い将来の1軍デビューへ向けて、持ち前の元気は忘れない。

 ◆嶋村 麟士朗(しまむら・りんしろう)2003年7月13日生まれ、22歳。高知県出身。177センチ、90キロ。右投げ左打ち。捕手。高知商、四国ILp高知を経て、24年度ドラフト育成2位で阪神入団。25年4月19日のウエスタン・リーグ・広島戦で2軍公式戦初出場。同22日のオリックス戦で初安打。

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