阪神・前川 新庄以来!高卒4年目で4番スタメン 休養輝代役で先制含むマルチ「きっかけにどんどん結果を残していきたい」

 「広島9-2阪神」(12日、マツダスタジアム)

 球団111代目の4番抜てきに応えた。阪神・前川右京外野手(22)がプロ初の4番に入り、先制打を含むマルチ安打を放った。球団高卒4年目の4番は1993年の新庄剛志以来、32年ぶり。佐藤輝明内野手(26)が疲労などを考慮されてスタメンから外れた中、しっかりと存在感を示した。広島に完敗を喫し、優勝マジックは「28」のまま変わらなかったが、今後につながる一戦となった。

 一塁を全力で駆け抜けた前川は、ぽんと手をたたいた。ベンチへ向かってお決まりのカモメポーズ。久々のスタメンで結果を残した。

 「2アウトでしたし、打つことに集中して、コンパクトなバッティングができたと思います」

 0-0の三回、2死一、三塁の好機。床田のツーシームを捉えた。痛烈な打球は、投手の左脚を直撃する強襲の先制適時打。7月8日の広島戦(マツダ)以来となる打点を挙げた。

 驚きの打順だった。佐藤輝、中野が休養日となったこの日、前川がプロ初の4番を任された。球場に到着後、スタメンボードで確認したといい、「4番か。みたいな感じでした」と冷静に受け止めていた。

 球団では第111代目の4番。高卒4年目での4番は1993年の新庄剛志以来32年ぶりだった。「ありがたいですし、頑張りたいなと思います」。偉大な先輩の名前を聞き、表情を引き締めた。

 五回には1死走者なしから、三塁線へ内野安打を放ち、7月5日のDeNA戦(横浜)以来今季8度目のマルチ安打をマークした。これで床田に対しては今季14打数6安打、打率・429。9日に再昇格後、初スタメンで快音を連発し、「与えられたチャンスで結果を残せなかったらいけない世界。今日は今日でよかった」と振り返った。

 何かを変えなくては。そんな思いで打撃フォームの変更に着手した。7月21日、今季2度目となる2軍再調整を告げられた。ファームでは梵2軍打撃コーチの指導の下、構えの時点で肩のラインより上だった、グリップの位置を下げた。バットの軌道をよくするためで「よくなっているので、続けたい」と、とにかく振り込んだ。

 降格後は3日のウエスタン・オリックス戦(SGL)で満塁本塁打を放つなど9試合で打率・382、1本塁打、7打点と確かな数字を残し、自信を持って1軍に戻ってきた。

 チームは敗れ、優勝へのマジックは減らず。それでも苦しんできた前川に当たりが出たのは、大きな収穫だ。「今日をきっかけにどんどん結果を残していきたい」。出場機会に飢え、闘志を燃やす男が、激しいスタメン争いに割って入る。

 ◆新庄以来の高卒4年目での4番 22歳2カ月の前川が「4番・左翼」でスタメン。高卒4年目での先発4番は、1993年10月1日・中日戦(甲子園)で「4番・中堅」で先発出場した新庄剛志(現日本ハム監督)以来、32年ぶり。当時、21歳8カ月だった新庄は、ドラフト制以降では球団史上最年少の4番打者。なお、新庄はこの試合で4打数2安打、2三振だった。

野球スコア速報

関連ニュース

編集者のオススメ記事

阪神タイガース最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(阪神タイガース)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス