阪神・大竹 絶叫!W満塁斬り 4戦4勝“鯉キラー”に藤川監督「頼もしい、その一言です」 次こそマジック点灯や

 「阪神1-0広島」(29日、甲子園球場)

 マウンドで絶叫する姿が実に絵になる。阪神は“鯉キラー”の大竹耕太郎投手(30)が7回無失点で6勝目を挙げ、チームとして1981年以来、44年ぶりの対広島9連勝となった。後半戦負けなしの3連勝で、貯金も今季最多を更新する「21」に。中日が勝ったため、優勝マジック点灯は30日以降にお預けとなったが、2年ぶりの覇権奪回に向けて、さらに加速していく。

 右手のグラブを高く突き上げて仁王立ち。大竹が何度もほえる。緊迫の場面を乗り越え、7回4安打無失点で6勝目。幸先のいい後半戦のスタートを切り、満面の笑みでナインらとハイタッチした。

 「代えてもいいところだったと思うけど、しっかり任していただけたので、もう期待に応えるしかないって気持ちで。ポジティブに捉えていきました」

 七回だ。失策に安打、死球が続いて無死満塁も「1点くらいしょうがない。追い越されないように」とポジティブ思考で挑んだ。代打・野間を打席に迎える際に「ピッチャーゴロのイメージができあがっていた」。投じた4球目。高く跳ねた打球を大竹が瞬時に反応して捕球。そのままホームに送球し、捕手・坂本が一塁へ送球して併殺完成。狙い通りに仕留めると、最後は大盛を左飛に打ち取ってこの日一番の“大竹コール”を一身に浴びた。

 初回からテンポよくアウトを積み上げ、五回を終えて57球と完投ペースだった。六回につかまり2死満塁を招くも粘り勝ち。7つのゼロを並べて広島戦は通算13勝1敗、今季4戦4勝と驚異の数字となった。藤川監督も「頼もしい、その一言です」と称賛。ピンチの場面でも鯉打線に対する大竹の信頼は厚かった。

 圧倒的に相性がいい広島戦。大竹が勝ち続けることができる秘けつは“リセット”することにある。「対戦成績がいい、悪いでは見ない。しょせん過去なので、相手も自分も昨日までの自分と違うのであんまり気にしない」。直近の敵の攻め方や個人のデータを分析するのはもちろんのこと。その中で毎回イメージを持たずに試合に臨む。この日の試合後に話した「得意意識がない」ことが、気持ちと投球の安定につながっている。

 前回、六回途中で1失点だった9日の広島戦から登板間隔が空いた。「19日間を利用して体を動かしてきた。シーズン後半に生きるように」。練習の追い込みと連休で、メリハリある時間を過ごし結果を出した。

 チームは中日の勝利でマジック点灯は持ち越しとなったが、広島戦では44年ぶりとなる9連勝を飾った。「ここからぶっちぎって優勝に向かっていきます!」。お立ち台で宣言した大竹の言葉が現実味を帯びてきた。

 ◆大竹、広島戦で抜群の相性の良さ 大竹が7回4安打無失点で今季6勝目。そのうち4勝が広島からと、またしても抜群の相性の良さを発揮した。これで対広島の通算成績は17試合で13勝1敗、防御率1.19と圧巻の成績。唯一の敗戦は昨年8月10日に京セラで喫したもの。マツダで9勝、甲子園で4勝と、本拠地でも敵地でも鯉打線を完全に封じている。

 ◆広島戦、1シーズンでの9連勝は44年ぶり 阪神は5月16日に広島に2-4で敗れたが、その翌日の17日から広島戦9連勝。これまで2005~06年のシーズンをまたいで1分けをはさんで9連勝を記録したことがあるが、1シーズン内での9連勝以上は1981年5月23日~8月23日に2分けをはさんで12連勝をマークして以来、44年ぶり。

 ◆きょう30日にVマジックが点灯するには 30日に阪神の優勝マジックが点灯する条件は、阪神が広島戦に勝利、中日が巨人戦で引き分けか敗戦で「39」が点灯。また、阪神が引き分けでも中日が敗戦すれば「39」が点灯する。過去に阪神が7月中でマジックを点灯させたのは、2003年(7月8日=M49)、08年(7月22日=M46)の2回。

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