阪神・坂本がつば九郎をベンチに置いた理由 球宴第2戦目、SNS中心に話題沸騰
阪神の坂本誠志郎捕手(31)が球宴で見せた心遣いがSNSを中心に話題となっている。第2戦でヤクルトの大西広樹投手(27)はリリーフカーに球団マスコット「つば九郎」のぬいぐるみと同乗して登場。坂本はそれに気づくと、帰ろうとする車を止めて、つば九郎をベンチに迎え入れた。なぜ、そんな行動を取ったのか。思いを聞いた。
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坂本の行動がプロ野球ファンの注目を集めた。球宴第2戦の五回、大西がリリーフカーに乗って登場。一塁ベンチ前で降車し、マウンドへ向かった後だった。坂本が車中のつば九郎を大事そうに抱えて、ベンチに優しく置いたのだ。
坂本さんの担当をさせていただいて2年の私や虎党であれば、そこまで不思議なことに映らなかったかもしれない。坂本さんらしいな、とも思った。それでも、SNSを中心に拡散。あの舞台裏では何があったのか。本人に聞くと、思いを込めた行動だった。
「大西くんが出てきてね、あのまま帰っちゃうのも寂しいでしょ。ヤクルトさんも、ずっとつば九郎をベンチに置いてるし、つば九郎も大西くんが投げてるのを見たいだろうなと思って」
大西から依頼されていたわけでもない。「乗っていたから、あっと思って」。リリーフカーのつば九郎にパッと気づき、即行動へと移したのだ。普段から選手通路のゴミを拾い、投手の異変もいち早く察知する。優れた観察力が発揮された瞬間でもあった。
「大西くんもヤクルトで1人だったから、やってあげられる選手もいないし。あのまま帰っちゃうのは寂しいから、見えるところに置いとこうって感じ」
今年2月につば九郎を支えた、球団スタッフが亡くなった。その人との接点はなかったという。だけど、一ファンとして見ていた。「くるりんぱが成功するのが、目の前で起きてほしいなとは思ってた」。ベンチから名物芸を楽しみにしていたことも明かした。
「ヤクルトの人たちだけじゃない、みんなから愛されているキャラだったし。すごいユーモアもあって面白かったし、あのまま帰しちゃうのは寂しいなと思ったから」
初出場のオールスターは「楽しかったよ」と存分に堪能した。外国人選手とも積極的に会話し、「日本人選手ともしゃべったし、いろいろ面白かった」。たくさんの収穫があったに違いないが、最後にポツリと言い残した。
「これからみんなと対戦しないといけないのは大変だから。そっちの方しか頭にないね」
後半戦が開幕し、チームは連勝。2試合連続でマスクをかぶった。これだけの観察力。勝手な推測だが、球宴の2日間で試合に生かせる何かを手にしているはずだ。
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