阪神10連勝 佐藤輝キング22号「一発でいい打撃ができた」打点もリーグ単独トップ セ貯金再び独占、2位8・5差

 「広島1-3阪神」(9日、マツダスタジアム)

 猛虎の勢いが止まらない。阪神は佐藤輝明内野手(26)が2打点を挙げる連夜の活躍で、破竹の10連勝を導いた。二回にキング独走の22号先制ソロを放つと、三回には内野ゴロの間に2点目をもたらし、打点もリーグ単独トップ。貯金も今季最多を更新する17となり、2位とも8・5ゲーム差となった。セ界の貯金も独占し、頼れる4番とともにトップを走り続ける。

 雨上がりの広島に虹を架けた。暑さも風も関係ない。白球は鋭い弾丸ライナーで右翼席へ飛び込んだ。一瞬の出来事。佐藤輝は大歓声を浴びながら、優雅にダイヤモンドを一周した。「一発でいい打撃ができたと思います」。右翼手には追うことを諦めさせ、先発の大瀬良にも強烈なダメージを与える。先制の22号ソロでチームを10連勝に導いた。

 両軍無得点の二回。先頭で打席に立った。1ボールから大瀬良の内角143キロ直球を強振。「ファーストストライクからスイングできるように、しっかり準備できていましたし、甘い球を1球で仕留めることができて良かったです」。6日のDeNA戦(横浜)以来、2試合ぶりの一発。自己最多の24本塁打まで、あと2本に迫る一撃にもなった。

 ベンチ前では森下ではなく、ヘルナンデスと肘タッチ。助っ人は舞台裏を明かす。「モリシタがいなかったからやったんだよ」。即興でも息はピッタリ。普段の練習後も英語で会話をしながら引き揚げることが多い間柄だ。前夜は報道陣に交じって、スマホを録音機代わりに佐藤輝へ向けた。「いい野球選手でいい人柄だよね。リーダー的な存在だよ」。若き大砲は球場の外でもチームを引っ張っている。

 試合開始が雨の影響で30分遅れた。それでも、集中力は切らさない。「より、イメージトレーニングができました」。好調の要因は「毎日の準備がしっかりできているから」だと言う。練習前もミラールームにスイング音が響いていた。そこには鏡を見ながら、黙々とバットを振る4番の姿があった。

 同点とされた直後の三回は1死満塁で出番がやってきた。厳しい攻めで追い込まれ、最後も外角いっぱいの直球。これに何とか食らいつき、二ゴロ。併殺コースではあったが、全力疾走で一塁セーフ。「大きいっすね」。最低限の仕事で勝ち越し点をもぎ取った。

 この日の2打点で58打点とし、森下を抜いて単独トップ浮上。22本塁打もキング独走だ。打線も今季2度目の5試合連続2桁安打。2位・広島には今季最大8・5ゲーム差となり、今季最多の貯金17でセ・リーグの貯金を独占。2年ぶりの10連勝でお祭り騒ぎ。でも気は抜かない。「もっと伸ばしていけるようにやっていくつもりです」。この勢いは、もう誰にも止められない。

 ◆広島戦、1シーズンでの7連勝は27年ぶり 阪神は5月16日に広島に2-4で敗れたが、その翌日の17日から広島戦に7連勝。これまで2005~06年のシーズンをまたいで1分けをはさんで9連勝を記録したことがあるが、1シーズン内での7連勝は1998年7月28日~9月4日にマークして以来、27年ぶり。

 ◆2年ぶり10連勝 阪神が広島に快勝して、6月28日・ヤクルト戦から今季最長をさらに更新する10連勝。10連勝以上は、11連勝した2023年9月1日・ヤクルト戦から同14日。巨人戦まで以来、2年ぶり。

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