阪神 藤川監督が浮かべた優しい笑み「野球はそんなもん」豊田を信じ抜いた理由「諦めずにやり続けると」

 「阪神3-2巨人」(4日、甲子園球場)

 阪神が今季3度目のサヨナラ勝ちで巨人に同一カード3連勝。同点の九回無死満塁から豊田寛外野手がセンターへサヨナラ犠飛を放って試合を決めた。

 一瞬、代打も考えられる状況だった。だが藤川監督はそのまま豊田を打席に送り出した。この試合、2併殺を含むノーヒット。相手は難攻不落のライデル・マルティネス。それでも指揮官が信じたのは前向きな姿勢だ。

 「自分でホーム刺して、自分が出るんだということを示し続けて、それに野球の神様が最後、打席与えたんじゃないですかね」

 試合後、サヨナラ犠飛をこう評した藤川監督。直前には耳打ちして「縮こまらないでくれよ」と豊田を鼓舞していた。「こちらの思いと違うように窮屈に追い込まれることもあるので、しっかりこちらの思いも伝えて」。カウント3-1から見逃せば高めのストレートを豊田は強く振った。打球は右翼線を割ってファウルとなったが、鋭い打球だった。そしてフルカウントから高めの直球をきれいにセンターへはじき返し、三塁走者の代走・植田を生還させた。

 豊田の気持ちが出ていたか?の問いに「野球はそんなもんだと思います。どんな状況に追い込まれても諦めずにやり続けると、どこかでそういうチャンスがあるというのが野球。それを見て喜んで下さるファンの方がいるというのが野球のいいことだと思うので、いいゲームになったと思いますね」と語った藤川監督。試合後、豊田を迎えた際には最高の笑みを浮かべた。初戦は執念の継投でリードを守り切り、第2戦は指揮官自ら感性を信じたリクエストが勝敗を分けた。

 そして第3戦。2桁安打を浴びながらも再三のピンチをしのぎ、、粘り続けた投手陣。打てなくても守備でビッグプレーを見せた豊田を最後まで信じ抜いた。「我慢強く待つとか、いい時を待つとか、いいところを手放さない。目に見えないところを丁寧にやっていきながら続けて行く。そこに尽きると思うので。丁寧にやっていれば、こうやっていい風に向いてくるときもある」と指揮官。その流れが生み出した3連勝だった。

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