阪神 ジェット風船が7年ぶり来季解禁 未体験の佐藤輝「楽しみが増えることはいいこと」

 阪神は3日、2026年シーズンから甲子園での主催試合で、ジェット風船の販売と、七回の攻撃前に行われるジェット風船の演出を再開すると発表した。3月のオープン戦で実証実験を行い、アンケートや沿線住民の意見を確認した上で再開を決断した。新型コロナウイルス禍前の2019年を最後に途絶えていた“名物”が7年ぶりに復活。藤川球児監督(44)や選手も大歓迎だった。

 びっしりとスタンドを埋めたジェット風船が音楽に合わせて揺れた後、宙を舞う。新型コロナウイルスのまん延に伴い、2020年から途絶えていた“ラッキーセブン”。阪神の七回攻撃前に行われていた名物応援が、来季から甲子園に戻ってくる。

 再開決定を受け、現場からは歓迎の声が相次いだ。藤川監督は主に守護神として活躍した現役時代に、勝利が決まった後に宙を舞うジェット風船を何度も見てきた。「良かったですね。ファンの楽しみも増えますし、喜んでもらうのが一番ですから」と話した。

 20年度ドラフト1位の佐藤輝は入団時、すでにジェット風船飛ばしが中止されていた。幼少期には阪神ファンとして経験していたこともあり、「飛ばしまくってました」と笑顔。「楽しみが増えることはいいことだと思う」と話した。

 森下も「ファンの方からしたら、今の方が違和感がある状態だと思うので、本来の形に戻るんじゃないかな」と歓迎し、選手会長の中野も「3月のオープン戦の時も雰囲気がよかったので楽しみです」と心待ちにした。

 球団は再開へ向けて、段階を踏んで準備を進めてきた。専用のポンプでしか膨らませることができないジェット風船を準備。3月9日の巨人とのオープン戦は、実証実験として甲子園では約6年ぶりとなるジェット風船の打ち上げを行った。

 開幕後に実験を行う予定だった4月13日・中日戦は雨で試合が中止。それでも球団はオープン戦での実験当日の来場者や、ファンクラブ会員にアンケートを実施した結果、再開を決断。担当者は「(実験は)できれば2回やりたかったけど、賛成の声の方が圧倒的に多かった。総合的に判断したということです」と説明した。京セラドームでの主催試合、オープン戦でのジェット風船演出の実施については、現時点で未定となっている。

 再開後は専用のジェット風船の回収ボックスを設けてリサイクルを推し進める。試合観戦の妨げにならないよう、七回表の攻撃中に膨らまさないように注意喚起も行う。

 タイガースの選手にとって大きな後押しとなり、ファンも楽しみにしていた“ラッキーセブン”。当たり前だったあの風景が戻ってくる日が待ち遠しい。

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