【糸井嘉男氏の眼】阪神の勝利呼んだ中野の初球2犠打 「野球には『流れ』がある」

 3回、送りバントを決める中野(撮影・飯室逸平)
 1回、送りバントを決める中野(撮影・飯室逸平)
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 「阪神2-1巨人」(1日、甲子園球場)

 阪神は6投手の継投で巨人に競り勝ち、3連勝。2位・広島とのゲーム差を今季最大の4に広げた。接戦をものにしたゲームを振り返り、デイリースポーツ評論家・糸井嘉男氏(43)は「中野選手の貢献が導いた」と2犠打の2番打者を称賛した。

  ◇  ◇

 野球には「流れ」がある。グラウンドに立てば不思議と感じることが多いです。1点差の価値ある1勝。勝因には攻守で流れをつかんだプレーがありました。攻撃は3、4番に打点が付いた試合ですが、中野選手の貢献が導いた結果と言えます。

 初回、三回ともに初球ストライクで犠打を決めました。ファウル、ファウルで3球目に決めるより、次打者が適時打を打つ確率が上がる。これは体感ですが、なぜかそうなんです。五回、森下選手の一邪飛で三塁に進んだ走塁も含め、犠牲にもなれるしチャンスメークもできる。目立たないファインプレーが、試合の流れを引き寄せました。

 守備では森下選手。甲子園は珍しく無風で、久々にライトを守る難しさがあります。初回に泉口選手のフェンス際の飛球を好捕。七回には好返球でキャベッジ選手を刺しました。二塁に進まれていたら同点は覚悟しないといけない場面。慣れている守備位置に戻って勝負勘がさえました。

 最後に石井選手、お帰りなさい。地響きのようなファンの方の声援には感動しました。各選手がしっかり役割を果たし、1点差を勝ち切ったのは強いチームの戦い方。勝負の夏に向け、勢いが加速する勝利と考えます。

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