阪神・石井1軍復帰即巨人0封「甲子園で投げるのは最高」 藤川監督「非常に強いピース」復活で2位に4差

 「阪神2-1巨人」(1日、甲子園球場)

 頼れるセットアッパーが帰ってきた。頭部に打球を受けて戦列を離れていた阪神・石井大智投手(27)が1軍に復帰し、1点リードの八回に登板。走者を出しながらも1イニングを無失点に抑え、虎党から大歓声を浴びた。チームは6投手の継投で巨人に競り勝ち、3連勝。2位・広島とのゲーム差を今季最大の4に広げた。石井復帰を新たな力に変えて、藤川阪神が7月戦線を戦い抜く。

 外野フェンスの扉が開き、リリーフカーに乗る石井の姿にスタンドが沸く。さらに「ピッチャー石井」のコールで、甲子園は大歓声に包まれた。

 「甲子園で投げるのは最高だなと。ファームで投げた時もたくさんの声援をもらったんですけど、その何十倍もいただいて、死ぬ気で抑えられてよかったです」

 復帰登板はしびれる場面だった。2-1とリードの八回。約1カ月ぶりに聖地のマウンドへ上がった。先頭の泉口に対しての初球。149キロの直球でストライクを取ると大歓声。左飛に抑えると、それを上回る歓声が上がった。

 1死から連打でピンチを招いたが、スタンド360度から右腕を鼓舞する拍手が起こった。「すごい味方がついているんでね。常に力になっています」。声援に背中を押された。中山を一ゴロに抑えると、2死一、三塁から門脇を151キロの直球で押し込み左飛。ポンとグラブをたたき、拳を握った。ベンチからは仲間が飛び出し、右腕を迎え入れた。

 緊迫した場面で起用した藤川監督は「どんな場面でも変わらずやってくれるところが、非常に強いピースですから」と絶大な信頼を口にした。「結果は問わず、いい活躍だったと思います」とたたえた。

 悪夢が起こったのは、先月6日のオリックス戦だった。九回に登板すると、広岡の放った強烈なライナーが頭部を直撃。甲子園に悲鳴が上がった。担架で運び出されすぐに救急車で搬送された。「脳振とう」で1週間の自宅療養となった。

 石井がいなくなったショックとばかりに、交流戦で安定感抜群だったリリーフ陣が突如崩れた。7連敗を喫した中で4度、中継ぎに負けがつく異常事態。「ずっと試合を見ていたんで。自分が1軍に帯同できていない中、チームが頑張っている時に自分は何してるんだろうなって」。仲間が苦しむ姿にもどかしい気持ちだった。

 それでも「自分のできることしかできない」と回復に努めた。17日から練習を再開すると、29日のウエスタン・中日戦で実戦復帰。3者連続3球三振と圧巻の投球を見せ1軍に舞い戻った。

 6投手の継投で逃げ切り、2位・広島とは今季最大4ゲーム差となった。復活登板を果たした右腕は、ここから最後まで突き進むのみ。「しんどい試合もこれから多いと思う。優勝に向かって、自分の仕事ができるように頑張りたい」。チームに頼れる男が帰ってきた。

 ◆石井、1軍復帰までの経過

 6月6日 オリックスとの交流戦で九回に登板。打球が頭部に直撃して救急車で病院に運ばれる。

 同7日 「脳振とう特例措置」で出場選手登録を抹消。6日・オリックス戦から一夜明けて病院を再受診。

 同17日 自宅療養を経て、日鉄鋼板SGLスタジアムで練習を再開。ウオーキングなどで調整して「いつ復帰するかは全く分からない。焦らずしっかり取り組みたい」

 同27日 2軍練習に参加し、キャッチボールやノック、坂ダッシュなどで調整。

 同29日 ウエスタン・中日戦で復帰。八回に登板して3者連続3球三振の「イマキュレートイニング」を記録。

 7月1日 巨人戦で1軍復帰登板。1回2安打無失点。

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