阪神・石井 打球頭部直撃で緊急搬送 球児監督「意識はっきりとある」 スタンドから「頑張れ、石井」

 「阪神1-0オリックス」(6日、甲子園球場)

 今季最多4万2637人をのみ込んだ甲子園が一瞬にして静まりかえった。白熱の投手戦の終盤、阪神・石井大智投手(27)の頭部に打球が直撃するアクシデントが発生。マウンド付近に倒れ込んだ石井のもとに、藤川監督、選手、トレーナーらが集まり、虎党も心配そうな視線を向ける。

 「頑張れ、頑張れ、石井」と祈りのような大合唱と拍手の中、石井は担架でベンチへ運ばれ、首を固定され目をつむったまま、球場外につけられた救急車で搬送された。

 劇的勝利の喜びに浸る間もなく、試合後の指揮官は石井について、「チームドクターも診て、意識もはっきりとある状態で。いまは念のために病院にCTを撮りに行っている」と説明。「やっぱり脳、頭なので、今の症状と今後の症状というのは、経過を見守らないといけないと思います」と続けた。

 ショッキングなシーンは両チーム無得点で迎えた九回。石井が2番手で登板した直後だった。先頭の広岡への2球目、直球をはじき返されたライナーが石井の右側頭部付近に直撃。鈍い音を立てた打球は、三塁ファウルゾーンへ跳ねて内野安打に。石井を慎重に搬送するために、試合は約9分間中断された。

 全力プレーの中で起きた不慮の出来事。倒れ込んだ石井に、藤川監督が声をかける場面もあった。「何度も自分自身もそういうシーンを見てきてますから。まずは周りが動転しないよう、気持ちが落ち着くように、それは努めなければいけないので」。緊迫の状況にも冷静な判断を忘れることはなかった。

 石井のためにチームが一致団結して、つかんだ1勝。「石井の状態が非常に心配ではありますけど、みなさんにも健康を願ってもらいたい。またグラウンドに戻ってきてもらえるように。明日は明日で、関西の両チームで素晴らしいゲームをやりたいと思います」。藤川阪神に欠かせないリリーバが再びマウンドに上がるまで、猛虎一丸で戦い続ける。

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