阪神・前川 バックスクリーン弾 今季公式戦1号 3日から交流戦、1軍再昇格へ「焦り過ぎず頑張りたい」

 「ウエスタン、阪神1-0中日」(1日、日鉄鋼板SGLスタジアム)

 素直にはじき返した打球はぐんぐん伸びて、センターバックスクリーンに突きささった。阪神・前川が豪快な一振りで、この試合唯一の得点をたたき出すと、球場は大歓声に包まれた。

 「打球方向もいい感じだったので、あの打席はよかった。すっきりしたスイングができた」

 完璧な一打だった。初回1死から中日・吉田の甘く入った直球を強振。「強引にいかず、打球方向的にもよかった」。納得のスイングから放たれた打球は、センターの頭上を悠々と越えた。

 このホームランが前川にとって、今季の公式戦初アーチ。オープン戦では3本塁打放っていたが、シーズンでは1、2軍計45試合、160打席目にして待望の一発だった。平田2軍監督は「やっぱり長打が出なきゃダメだよ。ああいうバッターは。やっと角度もついてきた。これから調子を上げてくると思う」とうなずいた。

 状態が上がらず、5月22日に出場選手登録を抹消された。もがき苦しむ中、北川2軍打撃コーチや和田1、2軍打撃巡回コーディネーターと全体練習後に、居残りでロングティーを打ち込んだ。黙々とバットを振り続け、ようやく復調のきっかけをつかみつつある。

 1軍は3日から交流戦に突入する。早期での昇格を目指す男は「焦らないといけないけど、焦り過ぎず。一つ一つ丁寧に2軍でまずは頑張りたいと思ってます」と自身に言い聞かせるように語った。

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