阪神・大竹 今季初星 7回1/3を2失点 得意の広島戦10勝1敗「満員で投げられるありがたみ感じた」
「阪神5-2広島」(17日、甲子園球場)
雨上がりの曇り空に光が差した。甲子園の拍手喝采に阪神・大竹耕太郎投手が包まれる。開幕から約1カ月半が過ぎ、ようやくつかんだ今季初勝利。「今回の1勝もすごい重み(を感じた)というか。ケガもあるし、満員(のスタンドの前)で投げられるありがたみだったり、一人じゃ何もできなかったりとか、すごい感じる部分があった」。思いを乗せて投じた89球だった。
得意の広島戦でまたも持ち味を発揮した。五回2死。モンテロへの初球に82キロのカーブを投じた。2球目に106キロのチェンジアップを投じると、最後も118キロのチェンジアップ。意表を突く3球連続の遅球攻めで空振り三振に斬った。緩い球でも球速差をつけ、「思い描いた仕留め方だった」とうなずいた。
テンポ良くゼロを刻み、七回を終えて76球。完封ペースだったが、八回1死一塁でモンテロに直球を捉えられて左翼へ完璧な1号2ランを許した。ここで降板となり、7回1/3を4安打2失点。広島戦は通算14試合で10勝1敗、防御率1・35となった。首位を争うライバルに、またも苦手意識を植え付けた。
2年連続2桁勝利を挙げて迎えた移籍3年目。つかみかけていた開幕ローテ入りを逃した。春季キャンプ終盤に下肢の張りで離脱。「疲労も結構来ていたし、ローテ3年目に対しての力み、『やってやろう』っていう気負いが結構あった」。ストイックな性格に、強い責任感が重なってケガにつながった。
それでも2軍での調整期間をプラスに変えた。力みをなくすため、足元の機能性トレーニングで根幹を見直した。「そこが整えば勝手に上半身に連動する」。体の使い方の不安をなくして、メンタルも安定させた。「土台を見直せたのは良かった」。自身の体と向き合い、基礎の重要性を実感する貴重な時間となった。
長い道のりだったからこそ、気付いたこともある。「原点回帰じゃないけど、技術じゃなくて精神的な部分でしっかり相手と向き合って勝負する。そこが大事だと感じた試合でした」。ようやくつかんだ白星は大きな財産となった。
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