「野球になってない」阪神・藤川監督 惨状甲子園に怒りにじむ 3失策木浪に「使っている方が悪い」「戦い方見直させる必要がある」
「阪神0-3広島」(19日、甲子園球場)
本拠地を埋めた虎党にまたも勝利を届けられなかった。阪神は守備が乱れ、打線も振るわず、今季3度目の完封負け。精彩を欠いた戦いぶりに藤川球児監督(44)も試合後、「野球になってないですね」と厳しい言葉を連ねた。これで今季甲子園では1勝5敗、ホームゲームも1勝7敗1分けと苦しい戦いが続く。強い虎を次戦こそ、聖地で見たい。
口調は極めて冷静だったが、ホームでの惨状に対して発した厳しい言葉に藤川監督の静かな怒りがにじみ出た。「しっかりした野球をやらないと。野球になってないですね」。守備の乱れ、好機を生かせぬ攻撃、走塁ミス、“負の3拍子”が重なって今季3度目の零封負け。甲子園ではいまだ1勝、虎党の大声援を味方につけることができず白星が遠い。
守乱の中心は木浪の3失策。二回、先頭のファビアンの打球をファンブルすると、2死一、三塁からは矢野の適時内野安打を処理した後に一塁へ悪送球。九回には3つ目の失策を記録した。17日のヤクルト戦(神宮)でも九回2死から適時失策を犯したばかり。2試合ぶりのスタメン起用が裏目となったが、「まあ使っている方が悪いでしょうね。こちらの責任だと思います」と選手を責めることはせず、自らを断罪した。
3点を失った直後、反撃のビッグチャンスはあった。前川の右越え三塁打で1死三塁。広島内野陣は1点OKで前進守備を選択しなかったが、坂本は状況に応じた打撃ができず投ゴロに倒れた。続く木浪も汚名返上とはいかず二ゴロに終わり、追い上げムードは一瞬にしてしぼんだ。
痛恨だったのは3点差が縮まらないまま迎えた六回だ。1死から近本が放った打球が左中間を破る。快足を飛ばして二塁を蹴ったが、広島の好連係に阻まれて三塁憤死。ここから中野、森下の連打と佐藤輝の四球で満塁機を作っただけに、痛すぎる判断ミスとなった。
「そこ(チャンス)まで行くまでにやっていかなければいけないことが、特にこの甲子園での戦い方というのを選手たちも含めてね、見直させる必要があると思いますね」。昨季は・650を誇った甲子園の勝率が、今季ここまで1勝5敗の・167。ホームゲームも1勝7敗1分け。地の利を生かせない戦いが続いている。
黄色く染まった満員のスタンドからの期待に応えられず、もどかしさが募る。「やっぱり甲子園でね、ファンの方が来てくれていますから。リリーバーたちも必死にプレーしようとしていると思うし、それを一つのチームとしてゲームを運ばせなければいけないのでね。やっていきますよ」。指揮官が示した勝利への渇望。猛虎が一致団結して、日曜の聖地に必ず六甲おろしを響かせる。
◆開幕からホームで4カード勝ち越しなし 阪神はこの日の敗戦で、対広島3連戦の負け越しが決定。開幕から4月1~3日のDeNA戦(2敗1分け)、8~9日のヤクルト戦(2敗)、11~12日の中日戦(1勝1敗)に続きホームゲームで勝ち越しなしとなった。4カード連続でのホーム勝ち越しなしは広島に2敗、巨人に1勝2敗、大洋に1勝1敗、サンケイに1勝1敗だった1968年以来、57年ぶりとなる。
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