糸井氏が解説「球児流の動く野球」 藤川阪神は積極的な攻撃、起用法…ブレない姿勢が信頼に

 6日の試合を制して巨人に3連勝
 阪神を率いる藤川監督
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 阪神、オリックス、日本ハムで活躍し、今春の阪神キャンプで臨時コーチも務めたデイリースポーツ評論家・糸井嘉男氏(43)の「超人目線」。セ5球団との対戦が一巡したチームに迫る。3連勝した4日からの巨人3連戦など、藤川球児新監督(44)が攻守で見せる「動く野球」を解説。「3勝以上の価値がある」とし、「連勝も増えてくる」と今後の戦いを予想した。

 セ・リーグ5球団との対戦が一巡しました。ここまで6勝6敗1分けと、5割の戦いは十分でしょう。いい形でスタートできたと思います。1位から6位まで2・5ゲーム差。巨人を筆頭にDeNA…いま首位は広島ですか。それを見ても簡単に戦えるチームはいない。その中でも阪神は攻めて勝利をつかめています。

 シーズンは始まったばかりですが、球児さんの采配は見ていてアッと驚くようなところや、なるほどなと感心させられることが多いです。特に足を使うシーンや投手交代のタイミングでは、ハッとする場面がいくつもありました。印象は攻守で「動く」。投手交代でイニング途中が多いのも新監督の特色に感じます。

 攻撃で印象的だったのは4日の巨人戦。初回、近本選手と中野選手の連打で一、三塁を作りました。エンドランかランエンドヒットか、チームの作戦は秘密の部分もありますが、七回は森下選手の打席でテル(佐藤輝)がスタート。八回も中野選手の打席で近本選手が動きました。中野選手は2盗塁。積極走塁が生んだ勝利と言えます。

 この作戦には球児さんの強い意思を感じました。巨人戦の前から相当、考えていたのでしょう。相手は昨季のリーグ優勝チーム。挑戦者が王者を倒すにはチャレンジ精神が必要です。勝負事で勝つためには何かを仕掛けなければいけない。頭で分かっていても難しいことですが、初戦から果敢に動いた監督の采配にはすごさを感じています。

 この勝利から巨人相手に3連勝しましたが、シーズン初対戦の3タテには3勝以上に価値があると思います。「伝統の一戦」と呼ばれる両チームの対戦。私も現役時代、選手として常に肌で感じていましたが、阪神が優勝するためには巨人に勝たないといけない。選手目線で言えば3連勝した、3連勝できたという結果で自信を持って戦っていけます。今後に弾みがつく戦い方ですし、すごく大きな勝利でしたね。

 開幕前に「勝ちにこだわる」と話していたように、常にどうすれば勝てるか、最善を考えている印象です。広島との開幕2戦目(3月29日・マツダスタジアム)で、石井投手をイニングまたぎさせた場面や、育成から支配下登録したルーキーの工藤投手など選手起用もそうです。選手は監督の姿、言動を見ていますし、采配がブレないというのは、グラウンドで戦う人間の安心感や信頼感に変わります。常にどっしりとしている姿は、新人監督という感じがしません。

 昨年は打線の状態がなかなか上がらず、シーズン序盤は苦しい戦いが続きました。ただ、今年は各打者の状態も悪くない。ここからかみ合ってくれば、自然と連勝も増えてくると思います。まずは一個一個と勝ちを拾っていくことです。元々、力のあるチーム。自分たちの力を信じて戦っていけば、勝ちを増やしていけると信じています。

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