阪神・工藤 感謝の快投 背番号「24」お披露目 秋田出身3・11特別な日にわずか9球1回0封

 「オープン戦、西武1-0阪神」(11日、ベルーナドーム)

 まっさらな2桁の背番号に快投が映えた。7日に支配下登録された阪神育成ドラフト1位・工藤泰成投手(23)=四国ILp徳島=が2番手で登板し、1回無安打無失点。前回8日のDeNA戦(甲子園)では間に合わなかった、新たな背番号「24」のユニホームをお披露目して、「今日届いたんですけど、すごく似合っているかなと思います。マウンドに行ったときに原口さんとか、(坂本)誠志郎さんにも言われましたし」と胸を張った。

 初訪問のベルーナドームで出番は五回。最初の打者・源田への初球に、この日最速156キロの直球を投げ込んで、スタンドをどよめかせた。「ドームの雰囲気も初めてなので、応援が響いて、すごく新鮮な気持ちで投げられました」。わずか9球でゴロアウト三つを重ねて、「低め中心に投げられたのは良かったと思います」と手応えを示した。

 剛腕のイメージが日々強くなる中、多投した変化球も光った。スライダーとフォークを効果的に操って、空振りを奪う場面も。「投げる前は坂本さんとどういう感じでいこうとは話さなかったんですけど、投げ終わった後に『こういう配球をするときもあるよ』と言ってもらいました」と先輩の力を借りて、投球術を学んだ。

 秋田県出身の東北人として、特別な一日でもあった。3・11。試合前には両チームがベンチ前に整列して、東日本大震災の犠牲者に黙とうをささげた。発生当時は小学3年で自身も被災したが、14年たっても忘れることのない悲しみと改めて向き合った。

 「地震はすごく鮮明に(記憶に)残っています。被害に遭われた方には野球がしたくても、できなかった方もいたと思う。今日はそういう思いを感じながら試合に臨みました」。ファンに夢や希望を与えるのも、プロ野球選手の責務のひとつ。育成枠から“スピード出世”のルーキーは使命感を胸に、開幕1軍へと突き進む。

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