阪神・岡田顧問「俺は2ボールから打たん」日本ハム・新庄監督「おいしい球が来るじゃないですか」野球勘激論
阪神前監督の岡田彰布オーナー付顧問(67)と、日本ハム・新庄剛志監督(53)のぶっちゃけ対談の第3回は「野球勘」について。現役時代は勝負強い打者として活躍した2人が、技術や考え方について意見をぶつけ合った。
◇ ◇
日本ハム・新庄監督(以下、新庄)「岡田さん、あまりエンドランは使わないですよね?」
阪神・岡田オーナー付顧問(以下、岡田)「使わん、使わん」
新庄「なぜですか?」
岡田「エンドランはカウントで出すやんか、結局な。ちゃんとストライクを投げるピッチャーは、そのカウントにならん。先に追い込みよるわ」
新庄「そうですね」
岡田「エンドランのカウントになるということは、そのピッチャーのコントロールは悪いんよ。だから、確率が悪いからあんまりしない」
新庄「僕、2ボールからエンドランをすること多いんですけど、やっぱ2ボールは思い切り打たした方がいいですか?」
岡田「怖いなあ」
新庄「相手がそこそこコントロールがいいピッチャーで、次のバッターが調子いい時はエンドランで進めたいんです」
岡田「俺は2ボールだったらもう、逆に『待て』を出すわ。そんな簡単に真っすぐ来るかのお?2ボールで。俺は来うへんと思ってるから」
新庄「そういえば、岡田さんはよく大山くんとかに『(打つ)ポイントを前にしろ』って言っていたじゃないですか?僕もポイントだけは言うんですよ。(体に近い位置で打つ姿を見せながら)この辺で打つなと。『ポイントを前にして、練習は引っ張ってくれ』と言うんですよね。今はなんか打ち方、アレじゃないですか。あんま好きじゃないですよ」
岡田「あんなんやるからおかしくなんねん、バッティング。だから3割打てんようになるんよ」
新庄「ですよね。これも聞きたかったんですけど、2ボールでスライダーを待つとしますよね?真っすぐのタイミングでスライダーを打ちにいくのか、それともスライダーのタイミングで打ちますか?」
岡田「いや、俺は2ボールから打たん」
新庄「え!?おいしい球が来るじゃないですか」
岡田「タイミングを合わしとくだけや。そのボールに関してはな。一発で仕留められたらいいけど、見逃したら(カウント)2-1とか2-2でまた来るんやから」
新庄「ほー、見るだけですか」
岡田「打つ格好だけはするけどな。で、違うボールを狙ってた、みたいな感じを相手に受けさすな。その後の伏線やな」
新庄「岡田さん、現役の時は我慢して四球を選ぶタイプでしたか?」
岡田「プロ入った時に川上(※1)さんに言われたんよ。『1試合ヒットを1本打って、四球を1個選んだら首位打者を取れる』って。3打数1安打1四球。だから、1個の四球(が大切)というのはものすごい頭に残ってるんよ。1試合1個、四球取ったら(シーズン)100以上やで」
新庄「四球後の初球の真っすぐ打ったろとか思わなかったんですか?」
岡田「思わん。真っすぐ、けえへんもん。選手にも言うけど、5つの球種を投げるピッチャーは初球に5つの種類が来る(可能性がある)。でも、ワンストライクを取ると4つに減る。2ストライクに追い込まれたら2つか3つになる。どこが一番、打ちやすい?ストライクゾーンの大きさはずっと一緒やでって」
新庄「ハッハッハ」
岡田「分からない選手には『お父ちゃんや、お母ちゃんがテレビで見てるんやから、初球を打ってすぐ消えるよりも、もうちょっと長いこと打席におれ』って言うたわ」
(一同爆笑)
新庄「確かにやってた!東京ドームの時は2ストライクまで打たなかったです。親に見せたいっていう。全国放送だし。バッターボックス外したりしてましたね。今、寂しいですよね。地上波で野球がないからね」
※1…川上哲治氏。巨人で球界初の通算2000安打を達成するなど「打撃の神様」と称され、巨人監督としてはV9へ導く。13年死去。
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