選手の給料上げてあげたい!日本ハム・新庄監督「フロントにお願いしてるんです」阪神・岡田顧問「自然とそういう考えになる」監督業で共感

 笑顔で写真に納まる日本ハム・新庄監督(左)と岡田オーナー付顧問(撮影・山口登)
 新庄監督(左)と対談する岡田顧問(撮影・山口登)
 森下に打撃指導をする岡田監督=2024年6月19日
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 阪神前監督の岡田彰布オーナー付顧問(67)と、日本ハム・新庄剛志監督(53)のぶっちゃけ対談の第2回は「監督業」について。プレーの面だけではなく、選手との距離感や選手への思いなどで2人が共感。新庄監督は今後の新たな仕事にも興味を示した。

  ◇  ◇

 -2人の発言を見ると、準備を重視するなど考え方が似ている面も。

 日本ハム・新庄監督(以下、新庄)「もちろん。岡田さんから学んだことを選手たちに伝えることはものすごく多かったですね。そういえば先日、(阪神のキャンプ視察で)言われてましたね。カットプレーのことで」

 阪神・岡田オーナー付顧問(以下、岡田)「外野はみんな一人で投げてたな」

 新庄「大事ですよね、カットプレーね。僕もカットプレー、大事にするんですよ」

 -2人は監督として、選手と距離感を持つ。

 新庄「僕はDM(ダイレクトメール)ですけど、岡田さんは今回、ほとんど話をしてないですよね?わざとですか?」

 岡田「わざと、というか話す必要はないかな」

 新庄「話をせずに3カ月に1回ぐらい、ぽーんとかける言葉はめちゃくちゃ響きますよね」

 岡田「そうやな。選手時代に何回も同じこと言われて『分かってる』って思ってたやんか」

 新庄「でも、岡田さんはそんなに言われなかったでしょ?」

 岡田「そら言われへんけどな(笑)。でも、選手は他の選手(と監督の絡む様子)を見てるやんか。俺、2軍監督もしとったからな。(2軍指導者だった)オリックスと阪神の7年で5回優勝したで(※1)」

 新庄「2軍監督、面白いですか?」

 岡田「面白い、面白い」

 新庄「そうですか!教育しながら勝っていたんですね」

 岡田「2軍の時は18、19歳の選手もグラウンドでは教えんかったな」

 新庄「それはなぜ?」

 岡田「また教えてもろてるって18、19歳でもひがみよんねん。だから、グラウンドでは教えなかった。直接教える時はみんなに見えない所へ連れて行くけど、グラウンドではコーチに言うてた」

 (続けて)

 「差別はしたらあかんけど、区別はしとこうとは言うてた。全員を1軍に上げるとは考えてないから。2、3人でええわけやから。一回のドラフトで2人、1軍の戦力になったらすごいことやで」

 新庄「確かに。そうですよね」

 -新庄監督は2軍監督にも興味があるのか。

 新庄「面白そうだなと思って。僕、今まで自分がよけりゃいいっていう人生だったんです。でも、監督になったら人の人生を扱う、受け入れないといけないんで。選手も監督もどっちも経験して、人の人生で生きるのが楽しいなって。やっぱ監督ってそういう考えになりますよね?」

 岡田「そうなるよ」

 新庄「給料上げてあげたいな、と」

 -岡田顧問も同じことを言っている。

 新庄「そうなんですか!?」

 岡田「俺はもう選手の給料を上げるためやで」

 新庄「そうすりゃチームが強くもなるんすよね。万波くんは(年俸が)1200万から8000万になって、1億6500万円までいきましたからね。3年、4年で。僕はフロントにそれをお願いしてるんですよ」

 岡田「藤川(現監督)もトレード候補から4億までいった。何も持ってけえへんけど(笑)。監督はもう自然とそういう考えになるんよな」

 新庄「僕たちの時は安い安い!3割打っても7000万円とかの時代」

 岡田「相撲でマル(元横綱武蔵丸、現武蔵川親方)が親方になって、あいさつで言うてたのが『自分が優勝した時よりも、弟子が横綱になった方がもっとうれしいね』って」

 新庄「じゃあ岡田さん、1年目(23年)なんか最高でしたね」

 岡田「そら、最高やん(笑)」

 新庄「ところで監督時代はバッティングの指導は結構しましたか?」

 岡田「あんまりせえへんけどな。打撃コーチに言うとったよ。『今こうなってるで。悪い傾向なってるで』とかな。森下はなあ、グラウンドで教えたけど初めてやわ(※2)。交流戦明けに『打てんようなるで』って」

 新庄「彼はバッティングいいですね。全部打ちにいって止まれるから」

 岡田「それでも去年はクリーンアップがみんな、(打率)2割前半になったからな。大山は2割切ったら一回、2軍でリフレッシュせんと、1軍では無理やと思ったわ」

 新庄「3人とも2軍に落としましたね。岡田さんが言ったんですか?」

 岡田「言うたんは平田(ヘッドコーチ)。俺が決めたけどな。落とすのは順番。あんまりチームに負担がかからんようにな。一気に落としたらおかしなるからな(笑)」

 新庄「ハーッハッハ。それは何のために?リフレッシュですか?」

 岡田「リフレッシュやな」

 新庄「ですよね」

 岡田「6月でスコアボードに(打率)199って。そら、やっぱりめげるよ。ずっと4番打たしてるとな」

 新庄「戻ってきたら変わりましたか?」

 岡田「変わる、変わる。技術的なことはそんな変えへんけどな」

 新庄「そうですよね。僕も(去年は)レイエスを落としたんです。(開幕から)100打席いかないうちに。力みすぎてたんで。『ファームでリラックスして、しっかりボールを見て、引きつけてパーンって打ったら打てるようになるから』って。良くなって帰ってきたんで。慣れですよね」

 岡田「ああいうバッターはファームでもそんな結果は残らんよ。ファームのピッチャーやからって簡単に打てることは絶対ないからね。だから、それはもうリフレッシュよ。10日経って気分的にもだいぶ戻ってるやろ、みたいなんで上げる」

 新庄「うちの野村くんは、もうファームでやることがないんですよ。パッコンパッコン打つから。ただ、1軍に上がってきたら、やっぱメンタル的なものなんでしょうね。そこはもう自分で変えなきゃいけないでしょ。それか、もう俺が使い続けるから言うしかないんですよ!」

  ◇  ◇

 ※1…岡田顧問は現役を引退した翌96年からオリックス2軍助監督兼打撃コーチに就任し、97年にウエスタンで優勝。98年から2軍打撃コーチとして阪神に復帰し、99年は2軍監督兼打撃コーチ、00~02年は2軍監督。98、99、01、02年にウエスタンを制している。

 ※2…24年6月19日の甲子園での全体練習。64試合に出場して打率・241だった森下を約1時間もマンツーマン指導。スイングも実演して見せた。

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