【井川慶氏の眼】阪神ベンチが選択した、勝つ確率が一番高い策に応えた投手陣の勝利
「阪神2-1中日」(5日、甲子園球場)
阪神が接戦を制し、同一カード3連勝。三回に1死一、二塁から森下が左前適時打を放って先制。なおも1死満塁から佐藤輝の右犠飛で追加点を奪った。先発の大竹は5回8安打8奪三振1失点で9勝目。デイリースポーツ評論家の井川慶氏は「負けていてもおかしくなかった試合」とし、投手陣の粘りを勝因に挙げた。
◇ ◇
まず阪神からすると、負けていてもおかしくなかった試合で勝てたことが大きいですね。勝因を挙げるとすれば、投手陣の粘りでしょう。
先発の大竹投手は、五回までに記録した8奪三振が自己最多の数でした。打たせて取るスタイルの投手だと思うので、逆に自分のリズムで投げられなかったのかなというところでしたが、その中でも、最少失点でしのいだことが勝利につながったと思います。
球数は98球で、これがシーズン序盤や中盤であれば六回も続投していたかもしれないですが、今は9月の負けられない時期です。ベンチとすれば、勝つ確率が一番高い策として、六回からの継投を選択したと思いますし、そこに投手陣が応えきったということですね。
逆転優勝を狙う上で、勝利という結果が一番ですが、七回は相手のミスからの無死三塁で無得点。その流れから、続く八回には2死二塁のピンチを迎えました。結果的にゼロに抑えられましたが、これが勢いのある上位のチームが相手であればどうなっていたか。こういった部分を反省材料として、今後も戦ってもらいたいと思います。