阪神・森下 逆転V弾!千金3ランで首位・広島に勝ち越し アレンパへ望みつないだ
「広島5-7阪神」(25日、マツダスタジアム)
王者の底力を力強い一発で示した。阪神は2点を追った三回に、森下翔太外野手(24)が左翼席に逆転の12号3ラン。リーグ連覇に向けて、負けられない一戦での勝利を導き、2カード連続の勝ち越しを決めた。首位・広島とのゲーム差は「4」に縮まり、残り26試合、諦めることなく戦い続ける。
赤紫色に染まるマツダの空に、美しい放物線を描いた。回って来たチャンスは逃さない。森下が一振りで、ゲームの主導権を奪い、崖っぷちのチームを救った。
「(カウント)3-2で自動的にスタートだったので。なんとか芯に当ててヒットを打つっていう結果が最高の結果になったのでよかった」
2点を追う三回2死一、二塁。9日の対戦では3打数無安打と抑え込まれた森に「受け身にならず初球からどんどんいこう」と燃えていたが、頭は冷静だった。フルカウントとなり「ピッチャーとしても満塁にしたくないと思ったので」と相手の心理を読み、高めに浮いたカットボールに食らいついた。
打球は左翼スタンドギリギリに飛び込む、逆転の12号3ランに。「本当に伸びてくれと思って。入ってくれてよかった」。ベンチで仲間に出迎えられると、笑顔で“アイブラックポーズ”を決めた。
14日に誕生日を迎え、24歳初めての一発となった。誕生日当日には23歳の一年を「プロに入って2年目になる年だったので、すごく自分の中では気合が入っていたというか、『やってやろう』という気持ちは強かった」と振り返った。自分へのプレゼントには「そんなのはないです。野球をやることだけです」ときっぱり。幼い頃からそうだった。
夏休み中ということもあり、試合や合宿で大忙し。「ずっと野球しかしてない。特にお祝いとか、そういうのもなく」。誕生日もずっと野球漬けの日々だった。そんな努力が実って今がある。「野球が一番なので。その野球で結果を残すことが一番」。24歳の抱負にもそう強く宣言した。
自身はこれで6試合連続安打。得点圏打率・343は大山に次ぎ、リーグ2位とチャンスで結果を残し続けている。負けていれば首位・広島と6ゲーム差と厳しい状況になっていた中での、大きな一勝。カード勝ち越しで4ゲーム差とし、逆転優勝へ望みをつないだ。
27日からは横浜に乗り込んでの3連戦。勝利の立役者は、頼もしい言葉を放った。「最後の最後まで何があるかわからないので。カード勝ち越しもそうですけど、一戦一戦勝つっていうところ。3タテできれば最高の結果ですし。そこを目指してやっていきたい」。強い気持ちで、ミラクルを巻き起こしていく。
◆森下の逆転本塁打 この日の一発が自身2本目。初逆転アーチは4月3日、DeNA2回戦の六回。1-2の1死二塁で浜口から左へ2号2ランを放ったもの。ちなみに通算22本塁打中、9本が先制弾と自軍に勢いをもたらす一発が多い。