阪神・木浪 今季初安打が1号、初球捉え右翼席へ 10打席目で“恐怖の8番”お目覚めだ
「阪神3-5DeNA」(2日、京セラドーム大阪)
集中力を研ぎ澄ましていた。10打席目でようやく飛び出した阪神・木浪聖也内野手の今季初安打は、虎党を沸かせる1号。こん身の一振りで意地と執念を見せ、“恐怖の8番”が目覚めた。
4点を追う七回2死。「初球しかないと思っていました」と、2番手・伊勢の初球、高めに浮いた148キロ直球を迷わず振り抜いた。完璧に捉えた打球は右翼スタンドへ。昨季8月26日・巨人戦以来の本塁打となる1号ソロとなった。劣勢ムードの中で描いたアーチ。一塁ベースを蹴ると、力強く右拳を握った。
開幕から4試合目にしてようやく点灯させた「H」ランプ。「どうであれ、ヒットが出たんで」と振り返りつつ、好機での凡退を悔やんだ。「最後の打席が悔しいなっていう気持ちもあります。ああいう場面はこれからたくさんあると思う。もっと精度を上げられるように練習からしっかりやっていきたい」。2点を追う九回1死一、二塁。守護神・山崎の直球に押し込まれて左飛に倒れた場面を険しい表情で振り返った。
木浪が求めるのはアーチを描くことよりも、チームを勝利に導くつなぎの役割だ。「もうホームランというのは消していきたいなと思います。ホームランバッターじゃないんで」。上位につないで得点を生み出すために、仕事を全うする。