【阪神ドラフト選手特集・石黒佑弥投手(2)】先発転向で急成長 指名漏れ経験も糧となった社会人時代

 阪神ドラフト5位・石黒佑弥(10月撮影)
 JR西日本時代の石黒
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 10月のドラフト会議で、阪神から指名を受けた8選手(1~6位・育成1~2位)の連載企画。今回はドラフト5位・石黒佑弥投手(22)=JR西日本=の第2回。

  ◇  ◇

 進学した星城高では心身ともに成長した。早朝5時に家を出ると、帰宅するのは午後10時が過ぎたころ。帰ってきたときは、もうヘトヘトだった。

 それでも、石黒は一度も弱音を吐いたことはなかった。「本当に感謝しています」。毎朝4時には起きて弁当を作ってくれたり、駅まで送り迎えをしてくれた母・和恵さんの支えもあり、野球に没頭することができた。

 一躍、その名を上げたのは高校3年夏の愛知大会2回戦だった。石川昂(現中日)を擁して春のセンバツを制した東邦と対戦。「やれることをやろうと思っていた」と3失点で完投し、打っても石川昂から3ランを放つなど投打で躍動して8回コールド勝ちの主役となった。その後敗れて、甲子園には行くことができなかったが、この活躍はJR西日本入社につながった。

 故郷・愛知を離れて広島へ。転機はドラフト解禁年となった3年目に訪れる。これまではリリーフだったが、「チーム事情を考えると石黒が一本立ちしてくれないと勝てないという時期だった」と、田村監督から先発への転向を指示された。

 そこからメキメキと頭角を現した。22年の中国地区2次予選では全試合に先発。6月7日の三菱自動車倉敷オーシャンズとの第2代表決定戦では、延長11回を1失点で完投し、チームを4年ぶりの本大会出場に導いた。

 そうした活躍もあり、ドラフト会議前には複数球団から調査書が届いた。期待は高まっていたが、無念の指名漏れ。ただ、決して落ち込むことはなかった。4年目となる来年こそは絶対にプロにいく-。「心配する必要は一切なかったですね」と田村監督。強く誓い、より一層、練習に励んだ。

 座右の銘は「七転び八起き」。その言葉通り、さらに成長を遂げてドラフト会議で名前を呼ばれた。「うれしくて、ホッとしました。これから厳しい世界に入るので、もっと鍛錬しないといけない」とかなえた夢。無限の可能性を秘めた22歳の右腕が、聖地のマウンドで躍動する。

 ◆石黒 佑弥(いしぐろ・ゆうや)2001年6月20日生まれ、22歳。愛知県江南市出身。180センチ、83キロ。O型。右投げ右打ち。投手。藤里小1年時に「藤里スポーツ少年団」で野球を始め、星城高では3年夏の県大会2回戦で石川昂(現中日)を擁する東邦を破った。20年にJR西日本に入社。3年目にエースに。23年公式戦では12試合で5勝2敗、防御率1.44。

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