阪神は３０日、来季の新外国人選手として２３年ＷＢＣパナマ代表で米大リーグのレイズからＦＡとなったハビー・ゲラ投手（２８）の獲得を発表した。推定年俸１００万ドル（約１億４７００万円）の単年契約で、背番号は「００」。日本一の猛虎投手陣に加わる最速１６０キロ超えの助っ人リリーバーは、球団史上初の連覇へ貢献することを誓った。

　日本一の余韻がまだまだ続く中、早くも来季への新助っ人獲得が正式決定した。１９年に遊撃手から投手へ転向した、異色の経歴が光るリリーフタイプのゲラが加入。連覇へ向けて、鉄壁ブルペンがさらに厚みを増すことになった。

　投手転向後、初のブルペンで１００マイル（約１６０キロ）をマークしたという逸話の持ち主。直球は平均９７・８マイル（約１５６・４キロ）を計測し、ツーシーム、スライダー、スイーパーと多彩な変化球も魅力だ。

　今年３月のＷＢＣではパナマ代表として２試合に登板。チームが１次リーグ敗戦となる中、計１回２／３を防御率０・００、被安打１、奪三振１で、国際舞台でも実力を発揮した。今季は米大リーグの２チームで１７試合に登板して、計１９回１／３で奪三振１４を記録した。

　ゲラとは２９日に契約が完了。ジェフ・ウィリアムス駐米スカウトが対面し、日本野球についてレクチャーして、日本の公式球も渡した。背番号はいくつかの候補の中から、球団投手としては初となる「００」をチョイスしたという。

　デイリースポーツなどがゲラ獲得について報じた際、ミエセスと同じスペイン語圏出身であることから岡田監督は、「お友達できてええやん、ミエちゃん」と歓迎。この日取材に応じた嶌村本部長はゲラの人柄について、「ラテン系ですけど、そんなにワーっていうのではないみたい。物静かなタイプの中でも笑顔はたやさないって感じ」と紹介した。

　ゲラは球団を通じて、「今年、阪神タイガースが日本一になったことはとてもうれしく思いますし、そのような素晴らしいチームでプレーする機会をいただけたことにとても感謝しています」とコメントを発表。「チームの勝利に貢献し、再び優勝・日本一になれるようにベストを尽くしたいと思います」。新守護神候補は海を渡って“Ｖ２の使者”となるべく、断固たる決意を示した。

　◆ＮＰＢ初の「００」は…　ＮＰＢ史上初めて背番号「００」をつけたのは阪神・ジョーンズ（内野手・１９８８年）だった。ジョーンズは成績が振るわず１年で解雇。その後、亀山努が９２年から背負ってブレーク。他球団の主な外国人選手では日本ハム・ミラバル（投手・００～０５年）、西武・マクレーン（内野手・０４年）、オリックス・ミンチェ（投手・１２～１３年）といった面々。ちなみに、鳥谷敬もロッテへ移籍した２０年からの２シーズンでつけた。

　◆ハビー・ゲラ（Ｊａｖｙ　Ｇｕｅｒｒａ）１９９５年９月２５日生まれ、２８歳。パナマ出身。１８３センチ、８６キロ。右投げ左打ち。投手。２０１２年にアマチュア・フリーエージェントでレッドソックスと契約。１８年にパドレスでメジャーデビュー。当初は内野手でキャリアをスタートさせ１９年に投手転向。２３年はブルワーズとレイズでプレー。パナマ代表として２３年ＷＢＣ出場。