阪神・大山 重圧乗り越え日本一「チーム一丸となって戦えてよかった」

 「SMBC日本シリーズ2023、オリックス・バファローズ1-7阪神タイガース」(5日、京セラドーム大阪)

 右拳を突き上げ、満面の笑みで歓喜の中心に走った。涙はない。肉体的にも、精神的にも、必死に戦い抜いた1年間。仲間とたどり着いた頂点に阪神・大山悠輔内野手は何度も跳びはね、熱く抱擁を交わし、全身で喜びを感じた。

 「本当に勝ってよかった、1年間の集大成。チーム一丸となって戦えてよかった」

 4点リードの五回。2死二、三塁の好機で打席を迎えた。遊撃へ適時内野安打を放ち、貴重な追加点で勝機を高めた。

 阪神の4番という重責を担いながら、全143試合にスタメン出場し、18年ぶりの優勝に貢献したペナントレース。そして迎えた日本シリーズでも輝きを失うことはなかった。日本一の4番打者へと成長を遂げた。

 初めて4番を任されたのはプロ1年目の17年9月1日の中日戦。だが、その後は定着することはなかった。着実に力を付け、19年からは開幕から4番に抜てき。しかし、その重圧は想像もしないものだった。「いろいろと考えている間に朝になってるなんてこともありましたね」。こうつぶやいたことがある。それだけの重みを感じ、向き合ってきた。

 これまでの野球人生優勝とは縁がなかった。高校時代のつくば秀英では県大会ベスト8が最高で甲子園には出場できず。白鷗大でもリーグ優勝の経験は1度もない。「本当にうれしくて」とようやく味わえた悲願達成時には、思わず大粒の涙が流れた。

 7年目で初めて見る日本一の景色。日本シリーズ開催期間中にX(旧Twitter)上で多く声援された選手が選出される「SMBCみんなの声援賞」も受賞した。2年目の18年には、最下位も経験するなど、苦しい時期も知るだけに「今日勝てたことが本当に全て」と大山。優勝し続ける常勝軍団へ。不動の4番が猛虎を支え、新たな伝説はここから始まる。

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