【井川慶氏の眼】シリーズ男を作らせるな 現状はどちらが有利なく五分 気になるのはオリックス・野口&広岡
「SMBC日本シリーズ2023、オリックス・バファローズ8-0阪神タイガース」(29日、京セラドーム大阪)
阪神は初戦で村上が7回無失点と好投し、打線は球団史上最多となる13安打を放って8点を奪ったが、この日は西勇が4失点でKOされると、打線は宮城に6回無得点に抑えられるなどして0-8で完封返しを食らった。デイリースポーツ評論家の井川慶氏は「現状はどちらが有利ということはなく、五分」とした上で“シリーズ男”の怖さを指摘。「気になったのは野口、広岡」と評価した。
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第1戦を終えたオリックスにも当てはまったことだが、大差で負けようが1敗であることには変わりなく、切り替えればいいだけだ。これで両軍1勝1敗。阪神からすれば、ビジターで連敗しなかったので悪い結果ではない。現状はどちらが有利ということはなく、五分と言えるだろう。
第3戦からの3試合は、甲子園が舞台となる。オリックスはリーグ戦と違いDHがなく、打線も変わるとは思うが、ホームの阪神としては、調子のいい打者をいかに抑えられるかがポイントとなる。
第2戦を見れば、オリックス打線は全体的に状態が上がってきたように感じる。その中で気になったのは左打ちの野口選手、右打ちの広岡選手だ。いずれもこの日は2安打1打点で、野口選手は第1戦でも1安打を記録していた。
阪神での現役時代、“シリーズ男”の怖さを痛感したことがある。2005年の日本シリーズでロッテに4連敗を喫したが、私が先発した第1戦で、結果的にシリーズMVPに輝いた今江選手に、初回に2ランを浴びるなど3安打(今江自身は4打数4安打)された。あの初回で勢いづけてしまったことがシリーズの敗因で、私の責任だと思っている。
そういった意味で、勢いのある野口選手と広岡選手は、阪神バッテリーが警戒すべき選手と感じる。もちろんその2人に限ったことではないが、この日西勇投手が4連打されたような“流れ”を生み出させないための、細心の注意というものがより必要となるだろう。
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