阪神・渡辺諒 先制V撃「7番・DH」岡田采配ズバリ「なんとか恩返しできればと」

 先制適時打を放ち、拳を突き上げる渡辺諒
 5回、山本(手前)から先制打を放つ渡辺諒
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 「SMBC日本シリーズ2023、オリックス・バファローズ0-8阪神タイガース」(28日、京セラドーム大阪)

 落ちろ-祈りが通じた白球が、中堅前で高く強く弾んだ。「指名打者・渡辺諒」のアナウンスに、驚きの声だったスタンドが歓喜をあげる。由伸KO、大量8得点の大勝で光輝く先制V打。大抜てきされた苦労人が、岡田監督の起用に応えた。

 「スタメンは今日のミーティングで言われました。監督からは『思い切っていけよ』と。少し緊張しましたけど、いい形で入ることができました」。0-0で迎えた五回だ。佐藤輝のヘッドスライディングに、続くノイジーは献身的な進塁打。ネクストから仲間の気迫を目に焼き付けた。

 第1打席は変化球に3球三振。得意の直球は来ない。「ある程度、変化球かな」と2打席目、初球のツーシームを打ち返した。村上が先発した6月13日の交流戦・オリックス戦。渡辺諒はスタメンで起用されたが、2失策が敗因となった。山本も攻略できず3打数無安打。あの日から4カ月。“再戦”でリベンジの機会に恵まれた。

 「この1年、なんとか恩返しできればと思っていた。お返しはできたかな。よかったです」。試合後、ホッとした表情で笑みを浮かべた。新天地で活躍が求められる中、夏場には2軍落ちも経験した。シーズンは59試合の出場で打率・177。悔しさも残る1年の最終盤に、殊勲の一打でチームを勝利に導いた。

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