阪神・森下 涙の3タコ2三振 アレから12戦で14三振、打率・128 岡田監督「お客さんに見せられへんよ」
「横浜DeNAベイスターズ5-3阪神タイガース」(29日、横浜スタジアム)
阪神・森下翔太外野手(23)は頭を抱えて目を潤ませた。あふれ出る悔し涙。日本一への道を歩み始める前に、大きな壁が立ちはだかっている。「自分の納得する打席が送れていない」。明らかに落ちた声のトーンで言葉を振り絞り、帰路に就いた。
勝ち越しを許した直後の五回無死満塁。カウント2-2からDeNA先発・石田の低めワンバウンドのチェンジアップに、簡単にバットが空を切った。絶好の同点機であるにもかかわらず、一度もバットにすらかすらず。左翼スタンドからこぼれる虎党のため息を背に、肩を落としてベンチに帰った。タオルで涙を拭う中、ドラ1の先輩・佐藤輝からは前向きな言葉を送られたが、しきりにうなずくしかなかった。
14日・巨人戦(甲子園)でのV決定後からおかしい。12試合で47打数6安打、打率・128。さらには14三振と、あっけなく打席を去る姿が際立っている。
好調時は際どいコースの見極めができており、選球眼を生かして打撃カウントを作っていたが、今はボール球に頻繁に反応。持ち味の積極性も欠けてきている。初回2死での第1打席も低めワンバウンドのチェンジアップに空振り三振し、腰砕け。ポストシーズンまでのさらなる進化を見据え、重さの違うバットを試すなど試行錯誤を凝らしていたが、むしろどっぷりと不調の沼にハマっている。
岡田監督は「ストライクは1球も振らず、振ったらみんなボール。お客さんに見せられへんよ」と酷評。残り2試合の起用に消極的な姿勢を強調した。
「切り替えて頑張ります」と悩めるルーキー。五回の守備から右翼にミエセスが入って途中交代。このまま沈んでしまうのか…。CS、そして日本一に向けて、復調してもらいたい選手。森下の真価が問われる。