阪神優勝 地道なドラフト戦略が礎 生え抜きスタメン、ドラ1中軸…嶌村球団本部長「想定していたチームに近い」

 「阪神タイガース4-3読売ジャイアンツ」(14日、甲子園球場)

 阪神のスターティングメンバーには新外国人ノイジーを除いて生え抜き野手が並ぶ。中軸を担う森下、大山、佐藤輝はいずれもドラフト1位で獲得した選手。「ドラ1クリーンアップ」は後半戦の阪神打線で“顔”の一つとなった。

 18年から本格的にチーム編成に関わっている嶌村球団本部長は「5年前からこういうチーム、こんな感じのチームがいいなと思っていた、想定していたチームに近いところに来ている」と胸を張る。金本、矢野両監督が率いた8年間を「改革期」と位置付け、それまでの外国人選手やFA選手に頼った「対症療法」から方針転換し、日本人を中心とした長期的に戦えるチーム作りに着手した。

 端緒となったのが18年度ドラフトだった。1位で藤原、辰己を外した後に近本を獲得。さらに2、3位で手薄だった遊撃手を連続指名し、将来のレギュラー候補として小幡、即戦力候補で木浪が入団した。徹底した戦略で課題だったセンターラインの強化を図った。

 19年度は一転して西純、及川ら高校生を中心に指名。20年度には即戦力として大卒、社会人を求め、1位で佐藤輝、2位で伊藤将らを獲得した。この年度は5位村上、6位中野、8位石井と今季の主力が数多く名を連ねており、“神ドラフト”として称賛を浴びた。

 忘れてはならないのが現役ドラフトでの成功だ。今季加入した大竹は自身初の2桁勝利で大躍進を果たした。2軍戦での投球も見ていたという嶌村氏は「全会一致」で獲得に踏み切ったと明かした。

 嶌村氏は「ドラフトは何を捨てるか」と語る。18年度ドラフトは極端な戦略でもあったが「『センターライン』と決めたら後は捨てていく作業も必要」と説明する。フロント主導でも現場主導でもない。「現場とフロント、親会社が三位一体となり、当事者意識を持って同じ目標に向かうことが大事」と力を込める。「正当性を持って、道理にかなうというか、ファンの方が見ても分かるような、そういう編成をしたい」。地道な戦略がようやく実を結んだ。

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