「東京ヤクルトスワローズ２－４阪神タイガース」（２３日、神宮球場）

　やっとつかんだ、うれしい１勝だ。阪神・伊藤将司投手（２７）がプロ３年目で神宮での初星を挙げた。

　「２回目も３回目もやられるわけにいかなかったので、なんとか抑えられてよかったです」

　今季３試合に先発も０勝１敗だった燕打線との対戦。前夜はエース・青柳で敗れており「流れを変えられたら」とマウンドに立った。初回は並木、武岡の連打などで失点も、そこから崩れなかった。持ち味の制球力を発揮し、三回から五回は毎回走者を背負いながら無失点に封じた。

　最大のヤマ場は六回だった。佐藤輝の悪送球で先頭の並木が出塁。村上に四球を与えて２死一、三塁のピンチも、四回に安打を許していたオスナをカーブで中飛に仕留め、６回３安打１失点で役割を果たした。

　直近２試合は力投も、負け投手となっていた。７月１日・巨人戦（東京ド）以来の勝ち星となっただけでなく、目標に掲げている規定投球回にも今季初めて到達。「六回以上は投げられているのでよかった」と素直に喜んだ。

　試合後の取材中、伊藤将は立ち止まった。セ・リーグ本拠地制覇となった記念球を、フェンスの向こうにいるファンの男の子にプレゼント。優しさがにじみ出た。

　「きょうも阪神ファンの人が多く来てくれたので、勝てて良かったです。アレできますように頑張ります。応援よろしくお願いします」。さらなる快投で白星を重ね、多くの虎党を笑顔にしていく。